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帰還せず―残留日本兵六〇年目の証言 (新潮文庫)
 
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帰還せず―残留日本兵六〇年目の証言 (新潮文庫) [文庫]

青沼 陽一郎
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

どうしてあなたは、日本へ帰らなかったのですか―。東南アジア各地には、あの戦争が終ったあとも、現地に留まった元兵士たちがいる。ある者はインパール作戦の敗走が、ある者はインドネシア独立軍への参加がきっかけだった。祖国のために戦い、望郷の念を抱え、それでも彼らが「帰還せず」と決断したのはなぜなのか。彼地で暮らしつづける残留兵たちの人生を追った渾身のルポルタージュ。

内容(「MARC」データベースより)

昭和20年夏、敗戦の報を聞き、自らの意思で帰国を拒否した元日本兵たち。過酷なインパール作戦の体験から日本と訣別した者、やむなき事情で逃亡兵になった者…。彼らの言葉から「祖国」の意味を問うルポルタージュ。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 476ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/7/28)
  • ISBN-10: 4101276617
  • ISBN-13: 978-4101276618
  • 発売日: 2009/7/28
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 174,261位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 団塊予備役 VINE™ メンバー
形式:文庫
良くある戦争証言ものと思ったが一気に読み終えてしまった。大いに評価するという良い意味であるが、軽いのである。どこか興味を持った国の、興味をもった悲惨な出来事をルポタージュ目線でその経験者(被害者という感覚でなく)から話を聞くかのような、純粋な興味の対象として客観性、距離をおいて淡々と話を進めるやり方に、逆にある種の被虐的好感を思える。悲劇とはこうあるべき、悲惨であるべきという思い入れなく、相手が言いたいことより自分の聞きたいことを前面に出している。戦争証言ものではなかなかこうは出来ない。あの戦争を既に歴史上の出来事として理解している、理解しようとする著者の年代の特権であろう。その第三者的アプローチに隔靴掻痒のもどかしさを覚えるとともに、一つの戦争体験の風化を何故か事実として受け入れる安堵感すら覚えてしまう。ただ、それは多分証言者達が、戦争に翻弄されつつも自らの意思でそれなりの長い時間を生きてきた、ということが大きな理由であろう。戦争の真の悲惨さを語れるものは死んでいった者のみかもしれない。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 左党犬 トップ500レビュアー
形式:文庫
 副題に「残留日本兵 60年目の証言」とある。この副題にすべてが表現されているといってよい。

 「大東亜戦争」で「南方」(・・現在の東南アジア)に有無もなく行かされた日本人兵士たちは、なぜ日本へ帰還せず、現地に残留したのか?
 この疑問を戦後60年目にあたる年に、残存する14人すべてと面会し、じっくりと話を聞き取り、再構成したノンフィクションである。

 残留した元日本兵には、将校はいっさい含まれない。現場で苦労した下士官と兵、そして民間人であった軍属である。
 地域は、ビルマ(=ミャンマー)とタイ、インドネシア、そしてベトナムにわたる。
 証言を聞き取った14人は、それぞれ出身地も違うし、何よりも現地に残留した理由もそれぞれ異なっている。
 重要なのは、「帰還せず」ということだ。「帰還できなかった」わけではない。消極的な理由であろうが、積極的な理由であろうが、みな自らの意志で現地に残ったのである。

 まったくの私事(わたくしごと)ではあるが、この本に登場する14人の証言者のうちの一人である、インドネシア・ジョグジャカルタ在住の田中幸年さんとは、実は一度お会いしたことがある。
 田中さんの経営するロッジに泊めていただき、日本語でいろいろ親しくお話をさせていただいたこと、田中さん最愛のインドネシア人の奥様にもお目にかかったことを、いま懐かしく思い出している。
 著者の青沼陽一郎氏が、田中幸年さんにインタビューをした時から10年近く前のことではなかったかと思う。

 こういう個人的な経験があって、私は「現地残留日本人」の存在を知ったのだが、一般にはあまり知られていないのではないだろうか。
 だからそんな意味でも、著者の情熱によって、生存者の証言が集められたことは、まことにもって意義のある仕事になったと思うのである。
 本書をよんで、ここに登場する14人の個々の人生の軌跡に思いをはせれば、日本人として何か思うところがあるはずだ。

 きわめて良質なノンフィクションである。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
敗戦の混乱で、故国に戻らず、「戦地」の国を終の住み家として生きた老人達。というと何やら悲痛なものを想像するが、拍子抜けするくらいに彼らは幸せそうである。場所が東南アジアという「住み易い」土地柄だからかもしれない。ニューギニアや太平洋の孤島や、反日感情が強いフィリピンあたりでは、こうはいかなかったかもしれない。戦争の時代をくぐり抜け、人の数だけ運命と人生がある。読んでそんな感慨を抱かされるのだが、惜しむらくは著者の力不足。自分を「ぼく」呼ばわりし、随所に顔を出す余計な自分目線に著者の稚拙な意識が表れているし、軍事知識の浅さを逆手に取っているような言い草も言い訳めいているような気がしてならない。(いみじくも本を出そうとする者が、資料を集めようとせず「ウィキペディア」で手っ取り早く調べようとするなんて、みっともないじゃないか。)元兵士の言う「敵さん」という言葉に埒も無くやけに拘泥するくだりも苦笑ものだ。背伸びをしない潔さをどこか勘違いしているんじゃないか。他書を持ち出すのも憚りがあるが「散るぞ、悲しき」(梯久美子)「ロスト・オフィサー」(山田詠美)ら女性ライター達の力筆と比べれば、もどかしい上に情けない気分になる。
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