少女沖縄連れ去り事件のことは、よく知らなかったので興味を持って読んだ。47才の男が10才の小学生女児を沖縄へ連れて行き、保護された女児は「帰りたくない」と言ったと言う。作者の取材から明らかになってくる男と少女の姿。その不可解さ……。それが裁判の場面で読者にも知らされる事実。ここで、やっぱりという気持ちになったのだが、それだけで終わらなかった。実刑を受けた男、女児の母、祖父、祖母など、その後の女児の周りの人々への取材は、終わることなく続けられ、それぞれが生きている現実が読者へ突きつけられる。
一気に読み終わった。角田光代の解説が、それだけで終わらせない感慨を与えてくれる。