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この本の中で展開される議論を、勝ち負けの議論と
見なしてしまえば、恐らく読後感は最悪だと思います。
読む人によっては、ソクラテスの発言は単なる詭弁にみえたり、
揚げ足をとっているようにしか見えなかったり、偉そうに話を
捏ねまわしているようにしか見えなかったりするからです。
しかし果たして、池田晶子さんはソクラテスを『勝たせたかった』
のでしょうか?彼と相対する登場人物たちは、常にどこかで一理あること
を言っています。どちらの言い分も合っていそうな気がしてくるんです。
そこで、第三の参加者である読者の腕の見せ所がやってきます。
こう言えばこう切り返し!てくるだろうから、どう言えば彼らを丸め
込めるのか、あるいは双方の融和点はどこにあるのか。
まるで将棋やチェスのように、あなたを悩ませてくれるでしょう。
少し古い本ですが、ものを考えるということの入門書として、
自分でものを考えなくなったなーと危機感を感じている人のリハビリに、
現代でも通用します。
それから今更ソクラテスなんて青臭いと思う人に、
この本はソクラテス抜きで読むことが出来るということを言っておきます。
ぜひどうぞ。
そんなソークラテスが、現代のニッポンに甦り、現職議員や老人福祉係、ニュースキャスター、ジャーナリスト、エコロジスト、フェミニスト、マルチプランナー、トレンドクリエイター、コピーライター、サラリーマンから釈迦まで、様様な職業の人たちと、政治や老人福祉、その他諸諸のことについて、対話する本です。
はっきり言って、一度さらっと読んだだけでは、よくわかりません。でも、おもしろい。
身近なテーマが多いので、自分も対話に参加しているような気分で読める。ソクラテスと同じ意見になったり、他の登場人物に共感を覚えたり、ソクラテスに突っ込んだり。
誰でも一度は考えたことのある、あるいは考えた方がいい問題(テーマ)なので、しばし思索にふけり、考えることの楽しさを思い出させてくれた本です。
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