古今亭志ん朝と志ん五、立川談志と志の輔、春風亭柳昇と昇太...。
噺ではなく、師弟という切り口で、12人それぞれの弟子が師匠について物語る1冊。
それはまた己について語ることでもあり、
現在の落語論としても斬新な内容になっていると思う。
それにしても、笑福亭松鶴と鶴瓶の章はすごい。
「泣けます」といった本紹介は大嫌いなタチだが、泣いた。
久しぶりに本を読んで涙を流した。
病に倒れた松鶴が残したカレーを、弟子である鶴瓶が食べるシーン。
なんてことない内容である。
だが、ここで生まれる師と弟子のこころの交流は涙なしには読めない。
おそらく敢えて軽く書かれている筆致が、その交流を十全に伝えている。
美しくも軽やかなリズムだ。
浜美幸、何ものぞ。