タイトルは「帝王星」である、「北斗の拳」では決してない。。。「黒い太陽」「女王蘭」シリーズ三部作。ジェットコースタードラマ、ページターナーである黒新堂であるが、 さすがにここまでくるとテレビ脚本である。当初「黒い太陽」では読者はさながらキャバクラのテーブルから他所のテーブルをのぞき見ている感覚になることがある、今作「帝王星」ではテレビの画面で見たら面白いだろうという場面が展開される。それが読者やファンが読んでいいのか?、悪いのか?、個人的にはどす黒い漆黒の新堂作品でページをめくる度、得も言われぬ不快感と快感、言葉責めならぬ文字責めに悶絶したい、これこそが楽しみ方だと思っている。
Castをはじめとする人物の形容の妙は相変わらずの新堂節で面白い、何しろリズムで読ませるところが巧い。視点は立花というよりも藤堂であるという今作。序盤からこぎれいな戦いが展開するが、いきなりの「溝鼠」の登場、今作ではさらに「毒蟲」の登場と笑うしかないだろう。作品ではあきらかにミスキャストなのに、なぜ登場させるのか?まったく本筋への関わりがおかしいじゃねえか、といいたくなるが、これこそ新堂の確信犯的裏切り行為であり、「普通に終わると思うなよ」という読者を笑うトラップだ。
えげつなさが少ない分まだまだ「黒」とはいわないが、一時の楽しさにはウソはない。ただひとつだけいうならクライマックス前の数ページ、「ゆりな」「冬海」の決着後の「ぐだぐだ感」には納得できない。思わず「鷹場」になってしまいそうだ。
それにしても、立花に見えていたのは「帝王星」ではなく「死兆星」だったとは!。。。。。