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秋水によれば、愛国心は「自家愛すべし、他人憎むべし、同郷人愛すべし、他郷人憎むべし、神国や中華や愛すべし、洋人や夷荻や憎むべし、愛すべき者のために憎むべき者を討つ」ものであり、この主義は「専制政治家が自家の名誉と野心を達するの利器と手段に供せらる」ものであると厳しく批判される。ゆえに愛国心の跋扈を許してはならない、と。この指摘は、ナショナリズムが高揚しつつある今日の我が国を見るに、傾聴に値するものであると言えよう。
続けて秋水は軍国主義の批判に移る。軍国主義を正当化する言説を古今東西の事例を挙げながらことごとく否定し、「軍備を誇揚することを休めよ、徴兵の制を崇拝することを止めよ」と述べて戦争を否認する。
帝国主義を織り成す「愛国心」と「軍国主義」が否定されたいま、帝国主義も否定されなければならない。秋水はこれまでの議論を踏まえて反帝国主義を主張し、結論においてそれを避ける道として世界的な社会主義の革命を唱えるのである。
本書は1901年(明治34年)に発行された。ホブソンの『帝国主義論』(初版)は1902年、レーニンの『帝国主義』は1917年の刊行である。この先見性溢れる内容が本文にしてわずか100頁余の中に収められている。著者の情熱が伝わってくるような格調の高い文章によって、読者を飽きさせることなく、満足を伴う読了へと導く。価格も手頃である。一読に値する「古典」である。
今我々が見ている帝国主義を、為政者による煽動政治と内在する軍国主義が帝国主義発生の縦糸と横糸であると解説した本です。これがレーニンより古い1902年に発表されていたことに驚きました。帝国主義の変わらぬ本質を解説・暴露した100年前の著作です。
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