出版社/著者からの内容紹介
◆物語に支配されないために物語を暗殺しなければならない◆
近代の国民国家は活字メディアを通して「想像の共同体」として形成されたというのは、B・アンダーソンの説ですが、本書は、明治期の新聞・小説・広告などに頻出した、病いや血や女性身体、植民地をめぐる、差別と定型の物語を題材に、日本という国が立ち上がってきた過程をさぐります。さらにそれが、閔妃(朝鮮王妃)暗殺、伊藤博文暗殺、明治天皇暗殺計画としての大逆事件といった、定型をはみ出す「暗殺」の物語になだれ込んでいく過程を追いながら、メディア共同体の欲望、近代の背理をえぐり出します。近代日本の国民国家形成の物語にジェンダー、物語論から迫った、気鋭の力作です。
近代の国民国家は活字メディアを通して「想像の共同体」として形成されたというのは、B・アンダーソンの説ですが、本書は、明治期の新聞・小説・広告などに頻出した、病いや血や女性身体、植民地をめぐる、差別と定型の物語を題材に、日本という国が立ち上がってきた過程をさぐります。さらにそれが、閔妃(朝鮮王妃)暗殺、伊藤博文暗殺、明治天皇暗殺計画としての大逆事件といった、定型をはみ出す「暗殺」の物語になだれ込んでいく過程を追いながら、メディア共同体の欲望、近代の背理をえぐり出します。近代日本の国民国家形成の物語にジェンダー、物語論から迫った、気鋭の力作です。
内容(「BOOK」データベースより)
メディアのなかにあらわれた病、女、血、アイヌをめぐる差別と定型の物語から、韓国併合、閔妃暗殺、大逆事件などの暗殺をめぐる物語まで。物語のほころびをとおして、帝国日本の成立過程をさぐる気鋭の論考。
内容(「MARC」データベースより)
暗殺の物語から物語の暗殺へ-。メディアの中に現れた病、女、血、アイヌをめぐる差別と定型の物語から、韓国併合、閔妃暗殺、大逆事件などの暗殺をめぐる物語まで。物語のほころびを通して、帝国日本の成立過程を探る論考。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内藤 千珠子
1973年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、日本大学・工学院大学・早稲田大学などで非常勤講師。近代日本語文学、文芸批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1973年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、日本大学・工学院大学・早稲田大学などで非常勤講師。近代日本語文学、文芸批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
暗殺をめぐる物語は、メディアの濃くて深い欲望と媾わりながら、価値のあるスキャンダルとして増殖し続けた。活字としての日本語には厚い記憶が埋め込まれているが、逆説的なことに、ほかならぬ言葉の記憶が、現在における細部の忘却を促している。 メディア上に氾濫していたそのような物語は、登場人物としての女、女のイメージ、記号としての女、女の比喩を幾重にも連鎖させ、魅惑と嫌悪の対象に仕立てあげた上で、女を傷つけ、殺し、葬ろうとする。こうした女なるものへの殺意や悪意は、「東電OL事件」報道で、被害者の女性に向けられたメディアの欲望と同じパターンを描いていると言えるだろう。そこには、物語の定型が刻印されているのだ。 物語の定型を抽出し、再現するのではなく、物語が定型として化してゆく過程で生じた、いまでは忘れ去られてしまった意味の軌跡をたどること。それは、歴史が現在の現実に切り結んでいると知ることでもあるだろう。(「はじめに」より)