もしも、あの時、あんなこと言わなかったら……。
もしも、あの時、こんなふうにやっていたら……。
もしも、私なんかじゃなくて他の人だったら……。
あるいは、もしも、私が代わりになってあげられたら……。
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
あるとしたら、あなたは大人です。
そして、きっとこの本が好きになると思います。
主人公の田島さんは、2年前に奥さんを亡くして、男手ひとつで2人の子供を育てています。
奥さんのふるさとだった「希望ヶ丘」というニュータウンに引っ越して、新しい生活を始めるところから、物語が始まります。
でも、どうしても後悔することが多い。
もしも、奥さんが自分じゃなくて他の人と結婚していたら、きっと彼女は違う人生を歩んで、もっと幸せになっていたんじゃないか。
もしも、奥さんが生きていたら、子供たちはもっと幸せな生活を送れてたんじゃないか。
もしも、もしも、もしも……そう思わずにはいられないのです。
本書の中で、とても心に染みる印象的な言葉があります。
子どもたちの「もしも」は未来に向いている。
大人たちの「もしも」は過去にしか向かわない。
ほんとうにそうだなーと思います。
わかっていても、大人はやっぱり後悔や愚痴を言ってしまうものです。
でも今、大震災を受けて、この国は大変なことになっています。
どれだけ後悔してもしきれないほど、つらいことばかり重なっているように思います。
だからこそ、今は「過去のもしも」よりも「未来のもしも」が大切なのかもしれません……大人たちも、そして子供たちも。
もしも、「過去のもしも」ばかりでつらい時には、ぜひこの本をおすすめします。