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希望の国のエクソダス
 
 

希望の国のエクソダス [単行本]

村上 龍
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (83件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

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   バブル崩壊の2年前、著者は『愛と幻想のファシズム』で、戦後日本が作りあげてきたシステムに拮抗する「狩猟社」を登場させ、世界経済と格闘させた。13年後、教育をテーマにした本書で、著者は再び経済と出あう。金融経済の専門家、文部省官僚などへの3年にわたる徹底した取材から、正確な情報に裏打ちされた話題の超大型長編。

   2002年、失業率は7%を超え、円が150円まで下落した日本経済を背景に、パキスタンで地雷処理に従事する16歳の少年「ナマムギ」の存在を引き金にして、日本の中学生80万人がいっせいに不登校を始める。彼らのネットワーク「ASUNARO」は、ベルギーのニュース配信会社と組んで巨額の資金を手にし、国際金融資本と闘い、やがて北海道で地域通貨を発行するまでに成長していく。

   少年犯罪の凶悪化、学級崩壊など、さまざまな教育問題が噴出し、「学校」「文部省」「親」と責任の所在をたらい回しにする世間を尻目に、子どもたちは旧来の前提に縛られた大人の支えを必要としないことを立証する。『愛と幻想のファシズム』では、システムの破壊を目的とした狩猟社は、その過程で自身がシステム化していくという自己矛盾を抱え崩壊した。「ASUNARO」もまた崩壊の予感が示唆されているが、今回、著者はその手前であえて筆を置く。子どもたちには「希望」を与え、大人たちには「絶望」を突きつける。「ASUNARO」に拮抗するシステムを、今度は社会や大人たちの側が提示する番である。(中島正敏)

出版社/著者からの内容紹介

2002年、一斉に不登校を始めた中学生がネットビジネスを展開し、遂には世界経済を覆した! 閉塞した現代日本を抉る超大型長篇

登録情報

  • 単行本: 422ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2000/07)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4163193804
  • ISBN-13: 978-4163193809
  • 発売日: 2000/07
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (83件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 172,573位 (本のベストセラーを見る)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
村上龍については、「鼻もちならないバンカラ」という一方的な思い込みを
長い間持ち続けていたわけですが。
このところテレビ番組「カンブリア宮殿」を見るにつけ、真剣に国を憂う
おじさんとしての村上龍に、意外な親しみやすさを見つけるにいたったと。

当てずっぽうで読んでみた一冊でしたが、これは間違いなく「真剣なおじさん」に
なってから書いた作品ということがよくわかります。「初期の村上龍のほうが
もっとむちゃくちゃでよかった」とこぼす人は、私の身の回りにもいました。

日本の中学生80万人が一斉に学校に行かなくなり、ネットワークを通じて
連携をとって、次第に資金力発言力を高め、最後には北海道に移住する
というファンタジー。この過程が、現代の経済の実態に即して描かれているので、
かなりしっかりした経済講義が作品中に頻繁に展開されることになる。

講師は主人公の恋人由美子。主人公との子を堕胎した喪失感を埋めようと
するかのごとく経済の勉強をはじめ、ライターとして精力的に活動している。
新聞を読んでぼんやり経済の話が分かるというレベルでは、かなり難しく
感じると思うし、主人公もライターの割には経済音痴という設定のようで、
由美子の話を呆然と聞くこともしばしばだ。著者としても、読者が主人公の
ように呆然と読むことを想定しているんじゃないだろうか。

そんな斜め読み混じりの読後、印象に残るのは、中学生の集団不登校、
経済への大きな影響力についての、日本人の反応の鈍さの描き方だ。
別に村上は、読者に経済の勉強をもっとしろということが言いたいのではなく
(ちょっとは言いたいのかもしれないが)、いろいろなことに対しての
危機感や感受性が日本では摩耗しすぎているのではないかという焦燥
こそを表現したかったのではないか。

ま、自分で理解できた部分をつなげるとそういう解釈になってしまう
だけなのかもしれないが。わかんないところは主人公と同じように、
素直に呆然としましょう。生真面目に読まなければ、結構面白いと思う。
このレビューは参考になりましたか?
35 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
「荒唐無稽で現実味のない物語」という評価は、言葉づかいをちょっとシフトすれば 、「夢があり、希望にあふれる物語」になる。その評価そのままに、これは児童文学 の傑作だと思う。

アフガンゲリラに参加した日本人少年をきっかけに、日本中の中学生がすべて不登校 に入る。彼らは「あすなろ」と名乗り、インターネットを駆使して新たなビジネスを 起こしていく。一方、沈滞する政治、経済、社会に悩む日本政府は、アジア通貨圏の 構築に突き進むが、これがヘッジファンドに狙われ、日本経済は危機的状況に陥る。 そして、不登校の中学生集団に過ぎなかった「あすなろ」が、このとき大きな役割を 果たすことになる...。

やっぱり中学生に読んで欲しい。最新の経済事情、インターネット、料理に関するウ ンチクなど、中学生には難しすぎるところも多いが、背伸びしないで読めるものばか りが好きな子供がいるだろうか。

それにしても、村上龍の「気配」の表現は本当にうまい。飲み物を買いに行くリーダ ーが感じさせる「あすなろ」のゆるやかな結びつきや、友達気分で彼らにつきあう大 人がやがて敬遠されるようになったり、ナマムギの銃撃のシーンでの不釣り合いなシ ーソーのくだりはうならされる。特に、衛星中継での国会質疑の場面で、ポンちゃん が「この国には本当になんでもある、でも...」と話し始めたときには、背筋が寒く なった。

思うに小説の悦びはこのような、読むものを別のどこかへ、自分の知らない場所へ、 一瞬で連れていくような、一行の言葉に出会うことではないだろうか。小説の残りは すべて、この一行を最も有効に提示するために書かれるのであって、読むということ も同じことだろう。 不登校、インターネット、不況などのモチーフに惹かれて、この小説を読み始めた中 学生の心に、これらの言葉がそれと意識することなく沈潜していくのかと思うと、わ けもなくうれしい。

社会へのコミットメントが最近目立つこの作家だが、直接的な行動とは別に、言葉の 力を信じる者として、小説にこだわる姿勢に頼もしいものを感じる。

このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By D.K.
形式:文庫
というレベルの疑問をもってしまったら、この本からは読み取れるものはない。
事実、著者があとがきでこう述べていたところには共感しました。

―わたしは中学生の反乱を通して、現在の日本社会の危機感と適応力のなさを示したかっただけで、中学生であれ、誰であれ、期待などしない―

まるで常識を超えたかのように、話の内容がものすごいスピードで展開していくのに、ある種の現実感をもって読めたのはなぜだろう。
著者の淡々とした書き口に惹きこまれたのに加えて、きっとどこかで「いつこの種の問題が起こるとも限らない…」と自分自身に予防感覚が働いたからだ思ってます。
個人的に1つ評注を加えるとしたら…本当にいまの若者全体が、それこそ大多数集まって''革命'≠興すだけのエネルギーをもっているのか?
あるいは、その可能性を膨らませて引き出すことって現実的なのかな?というところ。個人的にはシビアにこの問題を誰もが突き詰めていくべきだと思うわけで、
そんなエネルギーを、きっと誰もがもっているのだろうけれども、それを仲間と共有して外に向けて発する、というより、内側にエネルギーを変に溜め込みすぎて
暴発する or なんとか自己規制・自己内消化する方が多いのではないか、と思ってます。

そんな若者が増えている背景として、どんな社会構造があるか?
誰もが潜在的にエネルギーをもっている。エネルギーは自分で創り出すか、ある種の社会装置や状況から引き出されるものだというのが、読み通しての正直な感想です。
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最近のカスタマーレビュー
のめり込んで読みました。
村上龍はやはり面白いです。当時はのめり込んでこれを読みました。
投稿日: 1か月前 投稿者: masasa
それから12年
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。
 だが、希望だけがない」(309、419ページ)。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: 不肖TAK
いまいちかなぁ・・・
2012年2月現在、ギリシャ政府に対する第二次財政支援の条件として、トロイカが要求する緊縮財政案の承認と債務スワップのPSI協議での合意をめぐって、アテネはデモや... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: ゆん
1996年の「蟻の革命」の一部とオーバーラップ
読み終わった第一印象は、タイトルが「願望の国の...」が適切ではないかという点である。... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: mioko_bk
希望の国とは、どこか。
 「この国には何でもある、希望だけがない」... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: 春四
上野の古本屋さんで買いました。
629円を100円で。
だから100円なりのレビューです。
ネット配信にも道を切り開き... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: ぴぴ
ポップな近未来小説
おもしろい。
『愛と幻想のファシズム』ほど硬くないけど、逆に文章が洗練された感じになっている。
装丁もかっこいいです。... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: ハガクレ0802
13歳のハローワークまでの道のり
本書が書かれた時、『バトルロワイヤル』、「同時多発テロ」、「日韓ワールドカップ」など... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: yoyo
預言書
はじめ、編集者がライターによく言う「嘘でもいいから冒頭20枚は面白くしろ(立ち読みで売れるから)」を具現化してしまった小説ではないかと不安だった。... 続きを読む
投稿日: 2010/2/5 投稿者: れいれい
バカな大人が中学生を焚きつけるために書いた空疎な本
アスナロってまるで、ポルポト派みたいだと思ったな。
カンボジアで殺戮を繰り広げたポルポト派の中心メンバーは、十代の少年少女たちだった。... 続きを読む
投稿日: 2008/12/14 投稿者: ぷーやん
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