登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
社会科学的考察にもとづく希望学!―「希望」再生の物語へ,
By TKMT (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 希望のつくり方 (岩波新書) (新書)
中国やインドら新興国は持続的な経済成長を遂げ,世界経済への影響力が日増しに高まるなか,日本をはじめ先進諸国は元気がない。大学生の就職内定率が「就職氷河期」を下回る低水準になったと報じられ,「雇用」を最優先課題に掲げた現政権の対応能力への疑念も顕著だ。「失われた10年・20年」とも叫ばれる昨今,結局のところ「われわれは何を失ったのか」,その点への明確な総括が欠如している気がしてならない。ゆえにどの議論も付け焼刃的なものに終始し,すぐに手詰まりとなる。「何を失い,何を作り出すべき」か,その重要な回答は「希望」だろう。労働経済学を専門とする著者が数年前から着手した「希望学」の研究成果を一般読者向けに丁寧に解説したのが本書。どの世代にも読んでほしい貴重な新書である。本書の骨格は全4章(第1章「希望とは何か」,第2章「希望はなぜ失われたのか」,第3章「希望という物語」,第4章「希望を取り戻せ」)からなり,「希望」についての統計・実地調査や著者自身の体験,「希望」をめぐる経済学以外の学問分野の諸成果を活用しながら,実に含蓄に富む内容が描かれている。「格差」・「貧困」を主題とする本が乱立するなか,ストレートに「希望のつくり方」を論じること自体に価値がある。机上空論的で粗雑なノウハウ本では決してない。「希望学」に本気に挑み,沈滞した日本に希望を復活させるための真摯で実直なスタンスがなんとも心地いい。 第3章では「希望の物語性」に踏み込み,そこでは「修正」「挫折」とあわせ「無駄」の意味を説き,希望とは「実現」と「挫折」,「ある」と「ない」という相反しあう両義的な性格の存在であることが示される。自分で探求する希望が含意する内容は実に深い。だからこそ「希望学」は今後も続く。最後の8番目のヒントは自分で書き込める。読了して,そこに何が追記されるか。本書が希望再生のための一契機となると強く信じたい。
21 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読みやすいけれど、深い!,
By
レビュー対象商品: 希望のつくり方 (岩波新書) (新書)
読む前の印象とはちがって、得られるものが乏しい自己啓発本の類などではまったくなかった。語り言葉で書かれていて筆致は平明。なのに、「一気読み」を許さず、たえず私自身はどうなのだろうと考えさせる。そんな仕掛けがされているように感じた。親族や親友よりも、それほど親しくない人たちとの「ウィーク・タイズ」(弱いつながり)のほうが、希望を生みだしたり、かなえたりする上で大事だという記述がある。月並みな言い方だが、これは目からウロコだった。これに限らず、いろいろな発見やヒントをもらったように思う。 一番ずしんと来たのが、第3章「希望という物語」。この章が、この本に奥行きを与えている。希望を考えるうえで、自分の人生を一種の「物語」として再構成することが欠かせないというメッセージだったが、ここで河合隼雄や村上春樹のことを連想した。著者は意識して書いているのだろうか。 「希望」とは何かについて、非常に明快な定義がなされていると思う(著者の不思議なポーズは一見の価値あり)。しかもその定義が、希望をつくる糸口になっているというところがミソだろう。いずれにしても、この本を読むだけで、希望が与えられるわけではもちろんないけれど、希望を考えることが自分の人生のこれまでとこれからを見つめなおすきっかけになるということ、そしてそれには小さなコツがあるのだということがわかった。どこまでも暖かい姿勢に貫かれていて、人に薦めたくなる一冊でした。
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
無難ですが、肩すかし,
By
レビュー対象商品: 希望のつくり方 (岩波新書) (新書)
玄田先生が取り組んでいる希望学についての解説が中心です。「仕事のなかの曖昧な不安」等、 他の著作と比較して、 ちょっと突っ込み不足だし、 言論がぬるい印象です。 希望学のフレームを語っているのは、 分かりますが、 それにしても新書としては、 半端に思えて、 不満が残りました。 希望そのものが作られる、 あるいは破壊される現場に近い論を、 読みたかったと思います。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
|
|