著者は海外・国内の多くのマラソンレースを走ってきた。この本には、ボストン、ニューヨークシティ、ベルリンといった海外のメジャーマラソンの様子が描かれているが、そこにはもの凄くたくさんの市民が、ランナーとして、ボランティアとして、応援者として、多様な形で大会に関わる姿がある。
ニューヨークシティマラソンでは、自転車・手こぎサイクル・インラインスケート・車いすの各レースが、マラソンとあわせて行われていて、その背景には、「道路は市民のものである」という考え方が根付き、そのため公道はしょっちゅう市民に開放されているのだ、と著者は言う。海外のビッグレースには多くの市民が参加していることは知られているが、そこには道路の利用にまつわるこうした思想があるという指摘には、ハッとさせられた。
関西でも大規模市民マラソンが次々に始まったが、そのめざすべき姿を考えるうえで、本書は大いに参考になるだろう。