小熊氏がアメリカのナショナリズムを語るというので買ってみたが、正直、期待はずれだった。アメリカの銃問題の部分については、とにかくデータが少なく、しかも古い。ちょっと本や資料をまとめた程度で、先行研究や判例の解釈も断片的すぎる。ナショナリズムについては、日本のアメリカ研究者達がもっと緻密な議論を展開しているし、やはりネタが古い。言い古されてきたことを繰り返しているだけである。二次資料に頼ってばかりいないで、アメリカの議会図書館やアーカイブなどに足を運ぶなどして、本気でぶつかって欲しかった。院試用のエッセイの焼き直しを出版できるのは小熊氏の知名度をもってすれば可能だろうが、一部の小熊ファンだけ喜ばせていれば良いというものでもないだろう。『民主と愛国』と比べると明らかに手抜きだと思う。