私は、このご夫婦にお会いしたことがあります。
はやもう1年が過ぎようとして、この本が世に出ました。
私も交通事故被害者の家族であり、刑事裁判では、被害者参加人として、
法廷にたってきました。控訴、上告と、被告側の上訴は続き、
介護と裁判との重圧は、経験するまでわからない未知の世界でした。
このご夫妻にお会いして、1年。こうして書籍となったこと。
感動という言葉ではかたづけられないくらい胸にこみ上げるものがたくさんあります。
交通事故は一瞬にして、その方の人生を奪い、若さも容姿も奪っていきます。
その変わり果てた姿に、何度も何度も被害者家族は直面し傷ついていくのです。
意識は鮮明なのに、四肢麻痺のために、声をだすこともできない、
指を動かすこともできない。愛しい人の手を握ることさえ出来なくなるのです。
深い深いトンネルに入り込んだ気持ちで、いらしたのではないか。
レッツチャットに出会うまでの、2年という言葉をもてなかった長い月日を思い、
意思を伝えることもできない苦しさ、むなしさは、本当に、想像を絶するものがあります。
しかし、裁判で闘いながらも、必死で介護されたご主人の、その人となりに、
とても胸がうたれるものがありました。
このご夫婦の愛のかたちは、平凡な家庭では、積み上げることのできない、
周囲にも明かされていなかった事実が、その背後にあるのです。
交通事故により、医療や保険の社会問題も浮き彫りになってきます。
でも、どんなに理不尽で、過酷な状況でも、このご夫婦の愛は崩れる事はない。
その絆の深さ、愛の深さに、感動すら覚えました。
結婚など諦めていた、私にも、こうした夫婦のありかたがあるのだと
希望を示してももらえました。
こういう方々こそ、幸せになってほしい。
おだやかな日常を取り戻して欲しい。
そう願わずにはいられない1冊です。