◆第一話「小豆洗い」
越後の難所・枝折峠。
旅の僧・円海は、雨宿りの小屋で奇妙な一行と出会う。
その中のおぎんという女が百物語として語った、
山猫に化かされる哀れな花嫁の話に、
なぜか平静ではいられない円海は…。
〈京極堂〉シリーズが、謎を妖怪と名付けて祓い落とす、という趣向
であるのに対し、本シリーズは、その完全な裏返しとなっています。
真っ当な手段では対抗できない世の悪に対し、妖怪という神秘を
演出することで裁きを与え「怪異(≒完全犯罪)」を創造していきます。
◆第三話「白蔵主」
甲斐の国、夢山。
狐釣りの弥作は、普賢和尚という僧に殺生の罪を
戒められ、猟師を辞めたことをおぎんに告白する。
しかし本当は、人には言えない、
忌まわしい事情を抱えていた…。
狐の妖かし「白蔵主」に重ねられていく人々の思惑と欲望―。
「弥勒三千」と嘯く又市が、結末で思わず漏らす倫理観にも注目です。