「大學」といえば、四書五経(四書は「論語」「大学」「中庸」「孟子」、
五経は「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」です)
の1冊として、固そうで近寄りがたいという先入観がありました。
本書は見事にその期待を裏切った良書です。
本書は「大學」の単なる「原文→読み下し文→訳→解説」といった流れでなく、
まるで自分が、その講義に出席しているかごとくの臨場感が得られます。
・著書の言葉が、「〜です」「〜ます」だけでなく、語りかけの語調が多用されています。
・本文の解説の内容が縦横に広がりをもっており、いい意味で何度も「脱線」します。
・大學の原文を順に訳していくのかと思いきや、数行の解説や訳がスキップされており
当初は違和感を覚えるのですが、通読し、何度も読み返すと、本書は、文章の理解よりも、
「大學」の趣旨を理解することにウェイトを置いていることがわかります。
奇をてらったような表現や、無理な行動を強いることなく、粛々と修己治人の道を説く
温故知新の1冊です。