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巨怪伝〈上〉―正力松太郎と影武者たちの一世紀 (文春文庫)
 
 

巨怪伝〈上〉―正力松太郎と影武者たちの一世紀 (文春文庫) [文庫]

佐野 眞一
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,100 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

長嶋のサヨナラホームランで知られる「天覧試合」は正力松太郎にとって36年前の事件に決着をつける大芝居だった。その事件とは……

内容(「BOOK」データベースより)

九回裏、背番号3・長嶋の放ったサヨナラホームラン―昭和三十四年、昭和天皇を迎えた“天覧試合”の劇的な幕切れは、その時天皇の背後に座っていた一人の老人にとって過去の恥辱を雪ぐことを意味した。その男・正力松太郎。読売新聞、日本テレビ、巨人軍の上に君臨し、大衆の欲望を吸いつくした男を描く大河ノンフィクションの傑作。

登録情報

  • 文庫: 550ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2000/05)
  • ISBN-10: 4167340038
  • ISBN-13: 978-4167340032
  • 発売日: 2000/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
質・量ともに著者の代表作である。執念の作品といってもいいかもしれない。丹念で綿密な取材が持ち味の著者だが、それにしても巻末に掲載されている取材協力者、参考文献、登場人物一覧は膨大である。総理大臣もいればお笑い芸人もいる。戦後の著名人は殆ど登場している、といっていい程である。

彼は確かに欲望のままに動いたのかもしれない。彼は倒産寸前の読売新聞に乗り込み、大衆の心をつかむ革新的な紙面を作り出し、その後もテレビ、プロ野球、プロゴルフ、プロレスetcと彼は戦後日本で発展した興行の殆どに「父」として君臨している。「大衆の夢と欲望を食い尽くした男」というくだりがあったが、まさにその通りである。

しかし、実際に彼のアイデイアを実現してきたのは、この作品では“影武者”と呼ばれる男達である。ところが、正力により彼らの功績は切り捨てられた。それでも、彼の周りには人が集まってくる。この人脈の広がりは尋常ではない。善悪やイデオロギーを超越したまさに大きな怪人「巨怪」である。

そんな正力は、衆議院選挙に出るにあたって「総理大臣になるのが夢だった」と漏らしているのだが、これも彼の単なる欲望の一つなのだろうか、それとも、原子力発電も含めて、それまで彼が実現してきたことは総理になるための布石だったのであろうか…。

著者の作品は殆どそうであるが、彼は、この作品でも正力のバイタリティーの源泉を故郷富山風景に見ていたりする。相変わらず思い込みが激しいなぁとは思うが、これは佐野眞一が書いた「評伝」である。粘っこい文章と合わせて個性なのである。好き嫌いが分かれる作家だとは思うが、私は好きである。ただし、東電OL殺人事件など事件を扱った作品では、この個性は魅力ではなく欠点になるので好きになれない。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 原発と正力松太郎との関係を知りたくて本書を手にとった。各章がかなり独立した読み物になっていて、原発については、12-13章のみ読めばわかるが、人物描写があまりに面白くて全部読みとおしてしまった。彼のとんでもない傍若無人ぶりや、目標に向かって強引に突進する行動力、そして百を優に超す政財界・メディア・スポーツ界の著名人が登場する豪華な人脈には驚かされた。もし自分の周囲に彼のような人がいたら辟易するだろうが、織田信長や毛沢東を連想させる強烈な個性は、大衆好みのヒーロー像としては最高にふさわしいし、正力自身もそれを理解していたようだ。

 彼が生きたのは、警察官として大衆と血みどろの格闘を演じた米騒動から、大衆の不定形な欲望をメディア・スポーツさらには天皇制にまでリンクさせた天覧試合まで、地縁・血縁共同体から切り離された「大衆」が社会の主役に躍り出た時代だった。本書には、警察・メディア・スポーツ・政治を通して「大衆」と格闘しこれを飼い慣らそうとした正力と、彼に操られたかのようにうごめく影武者たちの激しい感情が、膨大なエピソードの積み重ねによって生き生きと再現されている。まさに本書は、正力とその惑星たちの個人史の発掘であり、なおかつ近代日本の大衆社会史でもあると言えよう。
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25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:文庫
 エリート警察官僚が天皇警護の不始末の責任を取り、野に下り左に傾いた「読売新聞」に天下る、そして一代で稀代の日本最大の「反共」新聞を作り上げるまで。

 社会の公器といわれる新聞を、私物化しただけではなく、側近や他人の功績まで独り占めしなければいられない、強欲で強引なワンマン経営、読売新聞の戦前の再建から、巨人軍の設立、よみうりランド・後楽園の建設、戦後労働運動史に残る、読売大争議屋、原子力行政への食い込み、まさに巨怪と呼ぶに相応しい正力松太郎の伝記的一代記。

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