主人公は、米投資銀行での出世競争を勝ち抜きながらも、ついには祖国に戻り邦銀再生に立つ桂木英一。竜神宗一は、裁定取引(アービトラージ)で巨額の利ざやを稼ぐ伝説のディーラーだ。史実と重なる企業買収劇や経済事件の顛末はもちろん、事実報道のみではうかがい知れないであろう、当事者たちの心の内をも描き出していく。
(日経ビジネス 2006/02/20 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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5つ星のうち 5.0
バブル前−みずほ誕生時代の外資を絡めた日本の経済史・金融史,
By シャーペンの魔術師 (日本) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット) (単行本)
今まで断片的だった外資投資銀行やM&Aの知識、日本における大きな時事ニュース等が一本の大きな筋が通り、全ての連続した繋がりのある歴史として理解できた。実際の史実がベースなので、作中の展開を追いながら当時の自分を振り返る作業も同時に行えた。当初思った以上の内容であったため、私にとって非常に価値のある小説となった。 私は金融業界に身を置いたことが無いため、例えば「みずほ」はいつ・どの銀行が合併してそうなったのかといった基礎事項が瞬時に思い出せない。 そのため日経新聞に時折掲載される「大手銀行の再編表」を小さくコピーし直して、しおりにして確認しながら読んだ。 要望・改善点として、上巻巻末には金融経済用語集や、あるファイナンス取引の図解があるが、できれば「銀行再編の歴史」も付け加えてほしかった。文庫化された際は、是非お願いしたい。 (作中の「東都銀行」=「第一勧業銀行」と気付いたのは下巻に入ってからだったので)。 また、小説としての手法も心憎い。最初は意味の無かったと思えたプロローグは読み終えたあとに読み返すとなるほど、と感じてしまう。 エピローグからも、日本経済が踊り場を脱却し上昇局面を迎える今の時代(2005年−)を予感させる描写があり、非常に感慨深い。 金融業界、証券業界、会計、税務に携わる全ての方々に是非読んで頂きたい本です。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ためになり面白い,
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レビュー対象商品: 巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット) (単行本)
ここ二十年の日米を中心とした金融経済の流れや投資銀行業務について丁寧に記述されており「教科書」としても読める。一方、登場人物それぞれが個性豊かに描かれており「どこかにモデルがいるのでは?」と思ってしまう。小説としても面白い。エピローグ、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」はいつ読んでも美しく勇気づけられる文章。黒木氏がわざわざ全文掲載した意味が何となく分かる。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
R35 & 金融市場経験者 には5☆、それ以外の人には??,
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レビュー対象商品: 巨大投資銀行 (下) (ルビ:バルジブラケット) (単行本)
ビジネスノベル(経済小説)としてもおもしろいと思いますが、バブル前後の金融市場(株式、債券、外国為替、デリバティブ等々)を実際に経験している人にはとても興味深いと思います。ただ、金融業界の専門用語が頻発するので、巻末に用語集やスキーム図まで付いていますが、抵抗感が先に立ってスムーズに読めない方もいるのはやむを得ないでしょう。日経新聞の金融欄が抵抗なく読める位なら大丈夫かな? 3人の主人公が登場しますが、シッカリと個性が書き分けられ、キャラクターの混乱はないと思います。モデルになる実在の人物が複数いるのでしょうが、書いている作者の力量も立派だと思います。 また、この作者の特長だと思いますが、海外や国内の景色や食べ物、地元の人々がとても印象深く登場し、簡単な調査やガイドブックの請け売りではなく、作者自身の豊富な実経験に裏打ちされているように感じました。「悪役」として登場する人々もとてもリアルに書き込まれていると思います 主人公が転職直後に、慣れない海外勤務のストレスからついつい奥さんにつらく当たってしまうところなど、私自身もちょっと似たような経験があり、ずしんと重い描写でした。
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