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左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)
 
 

左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫) [文庫]

江夏 豊 , 波多野 勝
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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   1シーズン401奪三振、オールスターでの9連続三振、日本シリーズ優勝がかかった最終戦、9回裏無死満塁からシャットアウトしたいわゆる「江夏の21球」など、数々の伝説を築き上げた江夏豊。阪神時代のONとの熱い対決を記憶しているファンも多いのではないだろうか。

   本書は、その江夏が自らの野球人生と当時のプロ野球界の真相を語るという、ややユニークな切り口で書かれた自伝である。複雑な家庭環境のなかで育まれたハングリー精神をもとに、いかにして江夏が成長し、超一級の投手として活躍するにいたったかが語られている。18年間の野球人生でかかわった人々を遠慮会釈なく批判しているところもある。こうした言いにくい部分を大胆に言ってのける反骨精神は、江夏ファンにとっては痛快この上ないだろう。

   多くの人が知るように、江夏の野球人生は決して平坦な道のりではなかった。長嶋のような華々しい引退とは正反対に、ボロボロになるまで投げ続けたし、後に覚せい剤服用で逮捕されるなど不祥事もあった。私生活でも愛児が死亡したり、離婚をしたりと、まさに波乱万丈の人生だった。

   本書はそんな江夏のすべてを包み隠さず書き切っているため、時に不快感や嫌悪感を与えることがあるかもしれない。だがそれだけに、つらい境遇にある人や困難に直面している人に勇気と不屈の闘志を与えてくれるのではないだろうか。(堀 研二) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

「江夏の21球」「オールスター9連続奪三振」「年間401奪三振」。球史に輝く数々の伝説と記録を打ちたて、引退してなお人々に鮮烈な印象を残す、天才左腕・江夏豊。関西に生まれたガキ大将は、いかにして20世紀最高の投手に成り得たのか。栄光と挫折に満ちた波乱万丈の野球人生を語り尽くす。王、長嶋、野村、田淵、衣笠ら名選手との秘話も満載。すべての元野球少年に贈る、決定版自伝。

登録情報

  • 文庫: 377ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/2/26)
  • ISBN-10: 4101300410
  • ISBN-13: 978-4101300412
  • 発売日: 2010/2/26
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.9 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
あのころのほとんどの日本の子どもにとって、江夏投手は最強の悪役だったのではないか。
江夏と戦う正義のヒーローはもちろんONだ。
江夏はそのピッチングの実力といい、カタギにはまったく見えないその風貌といい、悪役としては
完璧だった。
少なくとも私にとって江夏は、ウルトラセブンにでてくるキング・ジョーのような最強の存在だ。

江夏はアンチヒーローとして、その野球選手としての人生をまっとうした。
でも、その後の物語は少し悲しい。
本来ならピッチングコーチとして、あるいは監督として、永遠にONの敵であって
欲しい人だった。(しかし選手ではなく、監督としての戦いになってしまったら、江夏は
ONを撃破してしまっていたかもしれないという懸念はある)
ウルトラセブンが大好きな子どもたちは、実はキング・ジョーのことも大好きだったのである。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
もっと早くに読むべきだった。昭和40〜50年代にプロ野球に夢中だった自分の少年・青年時代を思い出して感傷的になる。

波多野氏がナレーターとなって阪神入団まで、入団後の各シーズンの活躍をまとめ、間にインタビューでの江夏の発言を挟む。いかにも江夏らしい、プロ意識に富み、人間関係に気を遣った言葉が並んでおり、彼の発言部分にはほとんど手を加えていないだろう。広岡氏や野村氏(夫人)等への辛辣な言葉もそのまま載せているから。

私が江夏の4大名場面と考えるのは、1.シーズン三振奪取のタイ記録と新記録となる三振を王から奪うために、途中8人からわざと三振をとらなかった離れ技、2.自らサヨナラ・ホームランを打ってけりをつけた延長戦でのノーヒット・ノーラン達成、3.オールスターでの9打者連続三振奪取、4.「江夏の21球」でのスクイズ外しだが、それらの江夏自身の回想は必読だ。記憶力に感心。

村山氏や藤本元監督が広島での江夏の優勝初体験を喜んだエピソードも胸を打つ。

本書は日ハム時代以降の晩年もカバーする。余りにも純な男の肖像がくっきりと立ち上がるだろう。

阪神時代の江夏ファンには、「牙 江夏豊とその時代」「男たちのゲームセット」もお薦め。
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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
01年草思社より刊行された作品の文庫版。文庫化にあたって加筆・修正を行なったとあるが、新たな章を設けでまでの加筆は行なわれていないようだ。

まず本書の構成者である波多野氏が当時の時代背景や事実として起こったことを記し(波多野氏はこれをナレーター役と称している)、その後、江夏自身が語る(独白)という変則的な形がとられているのだが、これが見事に成功している。客観と主観が明確になると同時に、露払い役の波多野氏のナレーションによって江夏自身の独白がイメージしやすくなった。

江夏豊は「語られる」プロ野球選手だ。そして、語る者は何かしらの想いをもって語る。

江夏そのものが語られた作品として、ノンフィクション作家後藤正治が、同時代を生きた者として阪神時代の彼に焦点をあてた「牙−江夏豊とその時代」を、同じく故山際淳司があの有名な「江夏の21球」を発表している。番外編?として「博士の愛した数式(小川洋子)」で阪神時代の彼の背番号「28」が使われている。それ以外にも、プロ野球を扱った作品の多くで、彼が関係した数多くのエピソードが語られている。

江夏が語る事実は、これまでプロ野球関連の本で読んだことがあるものも多く、新たな事実を知ったという驚きみたいなものは少なかったが、そこに至る細かな背景や江夏自身の気持ちを知ることによって、事実の隙間や行間を埋めることができた。

江夏豊は「語られる」プロ野球選手であるが、同時に彼自身が「語る」人である。

本書の中で江夏は、しゃべるのは不得手だ(特に即興性が求められるTV解説はダメみたいだ)みたいなことを言っているが、それでも彼は「語る」人だと思う。評者は北海道民なので彼がTVで解説する姿を見る機会がほとんどないのだが、毎年、雑誌Numberに掲載される彼の日本シリーズの解説記事を楽しみにしている(以前は全試合解説していたのだが最近は数試合だけになっているのが残念でならない)。
ピッチャー心理やバッター心理を分析し、あの一球・この一球に焦点をあてた、訥々としかし饒舌に語られる、選手に対して厳しいばかりではなくやさしさも溢れる解説は読み応えがある。

ひとつの試合をじっくりと時間を掛けて語るのにこれほど適任な人もそうはいないと思う。

そんな彼が波乱万丈のプロ野球人生を語ったこの作品。おもしろくないはずはない。
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