ノーベル賞作家に素人が言うのも何だが「うまい」
筒井康隆がシュールレアリズムの極致と言う『片腕』収録。
川端は小説の中でたくさん嘘をつく。
「湿った日に香水をつけると体に染み付いてとれなくなる」
「爪が指より長い人は、指を触られるとくすぐったい」
そして、自分の作品がある人には喜劇に見えていることをわかっており、サラリと否定する。
「私が喜劇にしてはいけない」
未通の娘の右手だけを一本借りて。アパートに戻ってきた男、これはコントである。
娘の右手を自分の左手につけ替えてみるという行為、そうしても、血が通わないと感じる男と女
こんなベタなメタファー、笑ってしまいそうなのに笑う一歩手前で止まる技巧「うまい」
そして、ショートショートの名手星新一の心胆を寒からしめた『心中』も収録。
オチを言うわけにはいかないが。こういう方法の「心中」だということだろう。