この本では、川口選手が海外のクラブに移籍したことによって大きな挫折を味わい、それを乗り越えていく姿が描かれています。
当時、既に日本では「守護神」と呼ばれるほどの実力と実績を備えていた川口選手でしたが、ポーツマス移籍後、下部リーグのチームとの試合で4失点したことの責任を押しつけられ、3ヶ月もたたないうちに帰国勧告を受けてしまいます。
その後もリザーブチームどころかユースチームで練習させられ、テスト生と交代させられたり、そうする意思もないのに日本のクラブへの移籍が進んでいることをチームのホームページで発表されたりと孤独と屈辱の日々は続きますが、手が届きそうだったわずかなチャンス、そしてワールドカップまでも、けがのためにフイにしてしまいます。
信頼できるエージェントにも支えられ、新天地デンマークへの移籍を決意した川口選手でしたが、言葉の壁や厳しい気候、慣れない人工芝のピッチなどに悩まされ、気がつくとまたチームの不振、大量失点、けがという苦境に立たされます。
どんな時でも自分を追いつめ、努力を怠らなかった川口選手ですが、ある時、自分がサッカーを楽しんでいなかったこと、周りが見えなくなってしまっていたことに気づきます。
そして、「与えられた状況の中で自分にできることを精一杯やり、自分のプレイを楽しむこと」を学んだ川口選手は、サッカー選手としても、一人の人間としても大きく成長したのです。
この本を読んで、「陽が当たらない時期にも腐らず努力すること」の大切さを改めて実感しました。