巌本善治に関するものは、女性史、生活史、教育史などで断片的に取り上げられるだけであったが、はじめて、この本が多角的に、本格的に、説得力をもつ書物として表われた。一頁、一頁の中に、興味をひく事柄があった。そのなかでも、福沢諭吉の世慣れた「婦人論」と、誠実に、弱い側にたちつつ、女性たちの悲しみをも十分受け入れながら、「婦人解放」をとく巌本の姿は考えさせられつつ、心に熱いものがこみあげてもきた。できれば、中・高生も十分に理解できるような書物として表わしてもらえば、もっと、多くの人々に、巌本たちの働きが知れわたることになるでしょう。中々、難しいことでしょうが。期待しています。