現在8作品を数える、ショーン・ディロンシリーズの記念すべき第1作。しかし、この作品を現在のディロンシリーズの第1作と捉えるか、序章として捉えるか・・・。それは読む側の感じ方にもよるのではないでしょうか。ちなみに私は「序章」という捉え方をしています。ディロンの根底に流れる哲学とでも言うべき考え方は現在とほぼ同じと言ってもよいでしょうが、立つ側は現在の彼と180°異なります。
ディロンシリーズが好きで全作を読んでいますがディロンという男、なかなか奥が深く一筋縄では理解しきれません。しかし、かっこいい男であることは間違いないでしょう。
私はこれらの作品を読み、全く無知であった北アイルランド紛争にも関心を抱き世界情勢に関する解説本なども読んでみました。作品の背景にある世界情勢にも目を向けるとより作品を理解できることは確かですが、私がそうであったように知識がなくても、純粋に楽しめる小説です。また、作中にはその時代に実在した海外の政治家が実名で登場するので、その時代の世界の動きを感じることができるでしょう。この作品を読まれたら、または読まれる前に、同じヒギンズの「テロリストに薔薇を」という作品を読まれてはいかがでしょうか。ディロンは出てきませんがこの作品で重要な役割を果たすある人物について描かれています。また、ディロンに影響を与えた人物も登場します。
ディロンシリーズは2作目の「サンダーポイントの雷鳴」以降、どの作品から読まれても楽しめますが、1番目に読むならこの作品をお勧めします。