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今、大人になってから再びこの本を手にとってみると、あの頃とは違った熱い感動を感じました。
登場人物達の激しい感情や愛情の嵐は、駄々をこねている子供のような自分勝手さとしてではなく、深い愛ゆえの”狂気”として生き生きと映し出されて姿を現しました。
愛するがゆえに相手の幸せを考える、そんな理想では表す事のできない相手を激しく焦がれる愛情は、恋敵に復讐しようとも恋人が死のうとも薄れる事がなく癒される事もない。
利己的で自分勝手で激しい気性を持つキャシーはヒースクリフを誰よりも深く愛していながら、見栄えもお金も持っているリントン家に嫁ぐ。ヒースクリフを自分の一部という程に愛していながら。そんなキャシーと同じくらい激しい気性を持つヒースクリフはリントン家の夫人として過ごすキャシーを、自分の一部であるという程に愛している。
ヒースクリフの激しい愛はキャシー同様に他の誰かを傷つけずには成就できない程に暴力的です。そして決して成就する事がない。
リントン家を始め、幼少の自分をいじめたアーンショー家、ふたつの家を手に入れ、その子供達を貶めても、もはや恋人も恋敵も自分を貶めた人間も亡くなっていて残っているのはヒースクリフただ一人。
全ての復讐を成し遂げたヒースクリフはそれでもキャシーを恋焦がれてやまず、狂気にかられていく。まるで嵐が丘にキャシーの亡霊が彷徨っているかのように。
死によって結ばれる純愛はよくありますが、ヒースクリフとキャシーもそうだったのでしょうか。
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