世界文学屈指の名作をようやく生れて初めて読み終えました。ネタバレになるので詳述は避けるとして、作品そのものに力があるというか、本巻では212頁から一気にギアが入り一気呵成に読了。嵐から静謐へ、その落差の何たる。やはり素晴らしい作品ではありました。
「キャサリンもまったくおかしな趣味を持っていたものね。あいつをよく知っていながら、あんなに高く買うなんて。あいつは怪物よ! 宇宙からも、わたしの記憶からも消え失せればいい!」(42頁)
「お母さんのところへ行くよ。おまえもいつか、わたしたちのもとへおいで」(260頁)。
「あれほど猛烈に励んだ末に、こんな馬鹿げた終局とは。・・・ すべて意のまま、という時になって、瓦一枚はがす気持ちもないんだ」(336頁)。
「この世はすべて、かつてキャサリンが生きていたことと、おれがあいつを失ったことを記したメモの、膨大な集積だ!」(338頁)
下巻は上巻ほどつっかかる箇所もなく、スムーズに読める良訳であると思います。