エンリケ・ビラ・マタスやロベルト・ボラーニョもその名を連ねるロムロ・ガジェゴス賞という言葉に惹かれて読みました。ただ、コロンビアの現実と言われても、本書に出てくるメデジンと言われてメデジン・カルテルで止まっている程度の知識しか持ち合わせておりませんので、はなはだ心もとなくもありますが、2001年の作品なので、そのへんは正直どうなんでしょう。
あらゆるものに対する罵詈雑言に溢れる本書は、そういったコロンビアの過酷な現実と対峙するためか、メタ・リアリズムという言葉を当てたくなる作品になっています。したがって、現実味を失ってしまうほど、個々の表現や感情は突き抜けているのですが、表現や言い回しが巧みなので、慣れれば意外に笑えます。
「無意識と無良心こそが幸福になるための必須条件。」(P34)といった類いの言葉も多く見受けられるものの、解説にある「一度愛したからこそ」ということ以上に、汚い言葉の割に本質的に元々ソリが合わないとかではなく、弟や父が亡くなったいまも家族の繋がりや絆が全編からしっかり伝わってくるような気がします。ただ、それらの死を含む現実が受け入れられないため、こういった表現やラストに帰結しているという印象を受ける作品でした。