私は既婚男性ですが、未婚の40代の友人男性が私に感想を求めてきたので本書を読ませて頂きました。私自身はお見合いパーティや紹介所を経験したことがないので、その一端(というか実情)を垣間見ることができて社会勉強になりました。
著者が仰るように、現実的に自分の状況を直視できずに夢見てしまい、いつまでも結婚ができずにいる人も確かにいると思いますので、そういう人たちにとっては警笛になる本だとは思いますが、著者自身がまだ自分自身のこだわりを脱却していないように見えますので、落ち込ませるだけになってしまう危険性もあると感じました。
著者はそれが男性として自然な範囲だと思っているかもしれませんが、読者に「現実的になれ」と等身大の自分にふさわしい相手を選ぶ妥協を説いているにしては、著者自身の女性の外見に対するこだわりがかなり強いようで、お断りした見合い相手についても、美人だったら交際していた、美人妻として友人に紹介できるなどと軽率に述べたり、年収の低い女性がタクシー運転手につり銭はいらないと言ったことで相手の経済感覚を批判的に見るなど、男性である私からでも、偏った目線を感じてしまいました。
結局は、「あまり現実離れした理想を夢見て一生を独身で過ごすことにならないように、できるだけ妥協して、うまいことそこそこの美人と結婚できるように作戦変更しよう」という感じかなと思いましたが、それ自体が脱却すべき発想ではないかなという気もしました。運命の相手を探す行為を著者は批判的にとらえていますが、女性の外見にこだわることと、運命の人を探すことの差はどのくらいあるのでしょうか?
それから、ひとつ不思議に思えたのは、実際に結婚しない男性の多くは、自分の経済力に自信がないという理由が非常に多い(もしかしたら、精神的なものよりも多いかもしれない)ことについては、ほとんど触れられていないことでした。現実的になるという意味では無視できない事実だと思うのですが・・
著者のブログを拝見しましたら、「独身の気楽な気分も捨てがたい」というようなことも書かれていましたので、著者自身の結婚が果たしてどうなるのかも余計なことながら心配になりました。
私はこの本を読ませて頂いたおかげで、自分自身の考えを再確認することもできました。私なら「結婚は華やかな夢ではなく現実的なものだけど、愛する人と一緒に生きていくことで、苦労を苦労とも感じない生き方もできる。結婚しないで独身で過ごすのも一つの生き方として立派なものであるし、周囲の声を気にするよりも自分の生き方を貫いてほしい。結婚生活と独身生活の両方を同様に価値あるものと思えるようになったときに、人は幻想から目覚めて、本当に現実的な自分らしい生き方ができるのではないか」と言いたいです。