タイトルに島津久光の名がついていますが、久光の伝記ではありません。
京都での政局が大きく動いた文久年間を主として、薩摩藩における久光の立ち位置をはっきりさせ、周囲の人物や他藩、朝廷、幕府の動きを絡めて、幕末政治史の流れを解説する書です。
幕末の薩摩といえば、島津斉彬、西郷吉之助(隆盛)、大久保一蔵(利通)、そして昨年の大河ドラマのお蔭で知名度がアップした小松帯刀の名が挙げられるのではないでしょうか。
世間の認識では、藩主の父(国父と呼ばれた)という立場の島津久光は彼らの陰に隠れてしまい、目立たない存在になっていますが、当時の政治の中心であった京都の中央政局において、久光が果たした役割、その影響力を分析しながら歴史をあらためて見直すと、久光こそが幕末政治の中心にいたことが判ります。
薩摩藩の動きのみならず、他藩・朝廷などとの関係や、当時起こったあらゆる事件との係わりについても解り易く解説されており、幕末政治史を理解するのに最適の1冊です。