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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「厚み」のある芳醇な紀行文,
By いよかん (東京都武蔵野市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 島で空を見ていた 屋久島・トカラ・奄美・加計呂麻島の旅 (単行本(ソフトカバー))
紀行文にもいろいろなスタイルがある。よくあるのは、初めて行く土地で、初めて見たもの、聞いたもの、体験したことへの驚き、感動、戸惑いをつづった「ドタバタ珍道中」もの。これはこれで面白おかしくて好きだが、本書は違う。著者の島への思いや知識には、ただならぬ「厚み」があるのだ。著者はなにしろ30年以上も前から屋久島、トカラ、奄美の島々へ繰り返し足を運んできた島旅のプロ。彼が今回は、作家でアメーバブックス新社編集長の山川健一氏(高校時代からの友人でもあるらしい)らと、この本を書くために新たに訪ねている。 基本は、息の合った仲間との、ときにはミステリーツアーの様相も帯びる、臨場感あふれる道中記。その中に、いままでに重ねてきた旅の記憶、豊富な知識(食文化、植物、産業、精神文化、等々)、そして島に流れる時間や、島に住む人々や著者自身の人生までもが随所ににじんでいる。 と言っても懐旧に浸っているわけでもない。何度も訪ねている場所で、また新たな発見をしたり、出会いを楽しんだり、小さな変化に驚いたりしている、好奇心も感性も豊かな著者の姿がある。 屋久島での「ヘミシンク」体験(これまた高校の同級生だという坂本政道氏も同行)や、奄美大島の妖気漂う森で謎の二人に出くわした話も面白かったが、私自身はトカラ列島に住む人々の話が一番面白かった。 昭和40年代に理想的なコミューンを作ろうと都会から移り住んだ当時の若者が、いまはどのように島に定着しているのか。医師も助産師もいない島で、女性たちはどうやってお産や育児に臨んでいるのか。 遠い秘境ではあるが、人々はたくましく「当たり前の生」を営んでいる。トカラのことをもっと知りたくなった。
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
島旅という、ひとつの旅のスタイルが確かにある,
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レビュー対象商品: 島で空を見ていた 屋久島・トカラ・奄美・加計呂麻島の旅 (単行本(ソフトカバー))
光文社新書で島シリーズを出している筆者の新作。昨年は得意の沖縄ではなく、屋久島や、奄美というかカケロマに通ったらしい。これまでとは旅のスタイルがちょっと違う。ひとり旅じゃなく、連れがたくさんいたりする。が、根っこは変わらず、期待を裏切らない。良い紀行文の条件。1.余計な飾りを排したノリのいい文章。2.文章の背後に知識と見識が窺えること。3.ユーモアがしのばせてあること。それらをクリアしているのはもちろんなのだが、その上で、島旅というのはやっぱり特別な旅なんだな、と改めて思わされた力作。読み終えたら、すぐに島に飛んでいきたくなる。
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
島の空、人、記憶を描く,
By じゃじゃ丸 (TOKYO) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 島で空を見ていた 屋久島・トカラ・奄美・加計呂麻島の旅 (単行本(ソフトカバー))
島旅が好きで、著者の本は全部読んでいるのだが、本作は──あれ?いつもとテイストが違う。 まずユニークな同行者と珍道中を繰り広げること。 著者は、その立場を「ニュートラル」にしているが スピリチュアルな出来事が盛られていること。 そして、出会った人々の追憶が色濃く滲んでいること。 とはいえ、決して感傷的な島旅本ではなく、 南国の島々(屋久島、トカラ、奄美、加計呂麻)の 自然や美味や人々が描かれているのはいつも通り。 今回も楽しく読ませてもらった。 島の生活、時間、人生に触れるにつれ、 本当の豊かさって何だろう? 進歩って何だろう? そんなことを考えされられた。
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