救助隊から阿久津を失い、その責を負った野田チーフが去り、
山での救助を不安に思う久美は、三歩までもがローツェに向かう事を知る。
沈む久美にザックが語る「世界で一番selfishなのはクライマーズ」。
過去、登山事故で三歩に救助された小田は、エベレスト挑戦のため辞職した。
ローツェを目指す三歩と小田はルクラで再会し、道行を共にすることになる。
小田のガイドは奇しくも三歩の盟友、オスカーだった。
亡き友たちの思い出を語り合う三歩とオスカー。 彼らの前には山があった…
…一気にローツェ篇かと思ったが、暫くはエベレスト隊のエピソードが続きそう。
ザックの言う"selfish"は、利己的・自分勝手・我儘と、いい意味では使われないが、
人が行うことというのは最終的には必ず自分に帰結するもので、その意味で
救助すれば献身、単独で登れば勝手とされるクライマーへの世評は、やはり矛盾を感じる。
"自己責任"の名のもとに、全てを自分で背負い、下りるために登る。
そんな理想的なクライマーに思える三歩にも、命を救われた経験があった。
対してエベレスト隊には本来の悪い意味でselfishなビル、夫婦喧嘩ばかりのリンダとマイク、
アフガニスタンでドクターとして働いていたアンジェラと個性的すぎる面々。
今後が楽しみと言うか不安と言うか…
マイホームの35年ローンに、介護や子育てに、車椅子の訓練に、山での救助に、
そして名を残さぬクライマー=シェルパという誇りある仕事に、何より生きることに。
それぞれが自分のエベレストに登っている。 それはとてもselfishで、素敵なことだ。
selfishとは、強制や自己犠牲とは無縁の言葉だから。 誰もが自分の意志で山を登るのだ。