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岬 (文春文庫 な 4-1)
 
 

岬 (文春文庫 な 4-1) [文庫]

中上 健次
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

第74回(昭和50年度下半期) 芥川賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

この作家の郷里紀州を舞台にのがれがたい血の宿命の中に閉じこめめれた一青年の渇望と愛憎を、鮮烈な文体で描き出し、広く感動を呼ぶ芥川賞受賞作。他四篇

登録情報

  • 文庫: 267ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1978/12)
  • ISBN-10: 416720701X
  • ISBN-13: 978-4167207014
  • 発売日: 1978/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
中上氏の芥川賞受賞作である「岬」他3篇の短編が収められています。

「岬」は、紀州の小さな田舎町に住む、濃く複雑な血縁関係に縛られた、主人公秋幸の閉塞感をモチーフに展開していきます。秋幸は、愛憎渦巻く親・兄弟・親戚たちのあいだで、一人孤独感と戦いながら、「自己」を確立させようともがきますが・・・。

1946年、戦争直後に産まれた中上氏のリアリティは、農村共同体の、濃密な血縁・人間関係にあります。日本の戦後史は、こうした農村共同体を打ち壊し、核家族化していく歴史だったのではないでしょうか。結果として、90年代以降の現代人にとってのリアリティは、中上氏が描く閉塞感とはまったく逆に、希薄な人間関係の中で、自己の存在の軸を確定できないことに変化したように思われます。「岬」の歴史的意義は大きいと思いますが、ここでの問題意識は、多くの現代人にとって、もはやリアルな課題ではなくなっているのではないでしょうか。故人となった中上氏が、今生きていたとしたら、現在の日本社会をどう捉えるか、興味深いところです。

所収の短編「黄金比の朝」は、自分の感受性だけが頼りの、人生においてもっとも不安定な時期を美しく表現した好篇です。

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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
玉石混交 2011/4/7
形式:文庫
 あえて辛い点をつけます。
 生きていたらノーベル文学賞候補の筆頭に上がっていたことはまちがいない偉大な作家ですが、若いときの作品、とくに芥川賞をもらうまでのころの作品は、出来不出来がはげしく玉石混交というのが実情なのです。
 この作品集には4篇収められていますが、そのうち2作は失敗作だと思います。「黄金比の朝」は「19歳の地図」と同じテーマを描き、舞台や登場人物の性格まで似ていますが、作品としては月とすっぽん。後者では結末近く、いたずら電話をかけた相手の女が突然泣き出す、その無教養な言葉遣いが後光を放つほどに輝いているのに、前者では同じ無教養な女の言葉が、ただダラダラと書き連ねられて、何の効果も現れない、ただの無教養な女のセリフに終わっています。
 「火宅」はドメスティック・ヴァイオレンスが題材。これはどんな言語に訳されてもその意味が伝わるであろうギリシャ悲劇のような普遍性を持った傑作。
 「浄徳寺ツァー」は俗語使いが上滑りした作品でした。

 本作品集が玉石混交なのは、作家が若かったということもあるのですが、それよりも何よりも作者が俗語を多用するという冒険を行っているから。作家は自分の生活圏で使われている言葉を使って作品を書くわけですが、ただその言葉の親近感に甘えて書くと、イモ兄ちゃんの自己満ロックのような作品が出来上がってしまう。中上健次でさえその轍を踏んでいるのです。
 そのかわり、いい作品はまるで宝石のように輝く。本来ならばこの作品集のうち2作は捨てて、他の作品集のいい作品と組み合わせ、佳作だけで短編集を編むのが筋だと思うのですが、出版社の都合でそれができなかったのでしょう。

 ある作家に人気が出ると出版社が群がり、作品を強要し、結果内容の薄い作品が量産されてしまう。日本文学出版の構造的な問題がこの時期からすでに表れていたのだと思います。
 同人雑誌が文学を支えていられた時代ははるかに昔。商業出版でなければ小説というジャンルが維持できない以上、その品質を支えるのは読者の厳しい審美眼だけなのです。商業出版は作品の形さえできていれば、どんな代物でも売りつけようとします。中上健次でもダメなものはダメ。そういえる厳しい眼を持たないと、いつまでも出版社の提供する似非文学作品をありがたがることになります。
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13 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
第74回芥川賞受賞作品が「岬」。作者の故郷、紀州が舞台。24歳の秋幸が主人公。秋幸の家族関係は複雑です。彼は母と母の再々婚相手の義父、義父の連れ子の兄と四人で暮らしています。彼には兄や姉がいますが、父親違いで、兄は自殺してこの世にありません。彼の実の父親は生きていますが、噂に聞くだけ。相当悪いことをして金をもうけたとか、昔、相前後して三人の女に産ませた子供のうち娘を囲っているとか。娘は売春をしているとか。主人公を取りまく閉塞感が圧倒的です。読んでいると、ひょっとして作者の特異性の自慢話なのかと興ざめするようなことがありません。そこが駄作と文学の違いかなと思ったりします。
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投稿日: 16か月前 投稿者: teruichi
泣けます
気が弱ってるときにこの作品を読むと死にたくなります。

体調万全で用心深く読むことをお勧めします。... 続きを読む
投稿日: 2007/5/9 投稿者: たけぞう
現代文学を
 代表する作家、中上健次の芥川賞受賞作「岬」を含めた、四篇の短、中篇を収める。... 続きを読む
投稿日: 2006/3/2 投稿者: するめいか
苛立ち。
三人称なのに、まるで一人称かのように主人公の苛立ち
が読み手に伝わってくる(またそうのように表現している
場面も山ほどある。)... 続きを読む
投稿日: 2005/4/25 投稿者: アルムオンジ
岬の孕む力
岬、英語でpeninsulaそうペニス=男根である。
男根は膨張し行き場のない力を放出しようとする。... 続きを読む
投稿日: 2005/3/7 投稿者: 順
知性の力
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