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最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
最新の観測データを盛り込んだ概説書,
By 理士 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 岩波講座 物理の世界 地球と宇宙の物理〈5〉膨張宇宙とビッグバンの物理 (単行本)
宇宙論というのは進歩の早い分野の一つである.十年前は50~100(単位略)とされていたハッブル定数は宇宙望遠鏡の観測によりほぼ72で固まってきた.宇宙の年齢,宇宙項,宇宙質量に占めるダークマターの割合など,いずれもここ十年間の観測の進歩によって次第に値が絞られつつある.宇宙の時空を記述する方程式やそれを解いて現われる膨張宇宙解などといったスタンダードなトピックにとどまらず,本書(2001年11月刊)は最新の観測データを用いて宇宙論の現状を論じている. 本書の最大の特徴は「温度揺らぎ」の扱いだろう.これはのっぺらぼうだった宇宙に今日見られる銀河(団)の種がいかにして生じたかという宇宙論の基本的大問題であり,類書にあまり見られない詳しさで紹介されている. 一つだけ,まえがきに「高校程度の物理学を前提」とあるが,要所要所に使われている数式を完全に理解するには大学の物理数学の知識が欠かせないことは指摘しておかなければならない.ただし,個人的には「数式を使わない」ことを売り込む解説本よりは,平易な語り口によって内容を理解させた上で数式も示す路線を支持したい.
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