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岩波科学ライブラリー 予想脳 Predicting Brains (岩波科学ライブラリー (111))
 
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岩波科学ライブラリー 予想脳 Predicting Brains (岩波科学ライブラリー (111)) [単行本(ソフトカバー)]

藤井 直敬
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,260 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

存在しない脳全体を統合する大きな枠組みを「予想脳」という概念仮説として導入し、多数の脳が社会的に相互に影響を及ぼしあっているという事実をもとに、脳の本質的な理解に迫る。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 118ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2005/10/5)
  • ISBN-10: 4000074512
  • ISBN-13: 978-4000074513
  • 発売日: 2005/10/5
  • 商品の寸法: 18 x 12.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 萩原 湖太郎 トップ500レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
 40歳前後と比較的若い脳科学者である著者が「ヒトの脳の本質的機能」について広げた大風呂敷。力強い記述でグイグイ押していく。ちょっと若気の至りみたいなところもあるが、それもまた本書の魅力だと思う。

 脳というものは、大きければ大きいほど良い、というものではない。脳は燃費の悪い器官であり、大きな脳を維持するのは大変なのだ。では何故、ヒトの脳はこんなに大きいのか? 著者は「自身の置かれた複雑な社会状況において、次に何が起きるかを予想するため」と答える(これは私なりの表現。著者の表現ではない)。ポイントは「予想」と「社会」。

 「予想」の方は、人工知能研究における難問「フレーム問題」とつながる。論理的可能性の全てをシラミツブシに検討することはできない。どうして人間はコンピュータのように「固まって」しまわないのか? それは、脳がシラミツブシ作戦をとらずに、経験にもとづいて決め打ち的に行動を導き、予想と実際とのギャップからフィードバック的に次回の予想を修正する、という作戦をとっているからだ。このあたりの話は、『考える脳 考えるコンピューター』(ホーキンス&ブレイクスリー 2005年 ランダムハウス講談社)と通じるものを感じた。

 では、もう1つのポイント「社会」の方はと言うと…、充分には述べられていなかった(述べられていれば、文句なしに星5つだった)。アイデア倒れとまでは言わないが、内実を伴っていない、という印象。「社会構造の理解から脳の理解へ」「社会的要素のない実験条件下では脳本来の機能はわからない」「知性は、他者の存在を抜きには発達しない」といった言葉にはかなりシビレたのだが…。ロボット工学者が「人工知能の成功には社会性の視点が必要」と論じている『知能の謎』(けいはんな社会的知能発生学研究会 2004年 講談社)を面白く読んだので、ほぼ同じ話を脳科学者が述べるとどうなるか、ぜひ読んでみたかったのだが…。
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11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
What's new ? 2008/1/10
形式:単行本(ソフトカバー)
予想脳という概念で脳の統一的理解ができるという提案だが、何が新しいのか私にはわからない。脳の役割が外界のシミュレーションだということも、脳内に認知のためのモデルがあるということも、フィードファワード制御が使われているということも、1990年代以降の類書ではよく言われていることで、著者自身も「今までも類似のアイディアがさまざまな形で断片的に提唱されているが」(p57)という通りだ。「今までは提唱されたことがなかった、予想脳という概念そのものが脳の根本手動作原理の一つであるという仮説」の従来の仮説との違いが見えない。社会性との関連についても、『マキャベリ知能仮説』や『心の理論』として1980年代には専門家に知れ渡っていたことである。4章以降の詳細議論も、「脳」と書いても済むところを単に「予想脳」という言葉に置き換えただけにしか見えない。
確かに脳神経学的研究のみからでは脳全体の理解は不可能だろうが、そんなことは誰もが承知であろうし、医学や動物学の分野では全体的に見るアプローチが昔から取られていて、そこに脳神経学的研究成果を取り入れた議論は、専門外の私にさえ啓蒙書で読める。いくら「これは科学論文ではない」(序文)から引用文献を積み重ねないとは言っても、他分野の成果を知らないか無視している印象を与えるのでは説得力が減るだろう。外界のシミュレーションという脳機能についてわかりやすく書いてあることは確かだが、それについて知りたいなら他に良い本は多くある。
だが、脳神経学的研究では「記録や解析のされやすい細胞の活動だけが研究されている」(p7短縮)とか、「神経インパルス情報にはプロトコルがない」、「スパイクと局所電位というデジタルとアナログの二本立てで情報が表現されている」(p16)かも知れないというのは、的確で多少は斬新な指摘だ。この点を評価して星2つとする。
最新の環境情報を常時モニターする機能は現在の我々には不要だ(p29,42)というが、脳内の自動処理機構が担うのは意識せずとも正常に動き回れる機能であり、目と耳を閉じたらそれは困難である。よほど高度な思考機能と混同しているように見える。
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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
このタイトルをみて、最初はよくありがちな前頭葉の働きや仕組みを解説した本?と思いました。
でもそれとは異なり、予想脳という新たな仮説を立てて「テンプレート」「フレーム」などの概念を用いて説明されているところが新鮮でした。
「テンプレート」とは、いわばイメージ空間のことで、自己を取り巻く空間情報がベースとなっているものであり、経験によって常に更新されています。三次元ホログラム的な概念に加えて、確立の情報や時間の奥行きも含まれているフレキシブルで動的な概念です。そして、その空間に付随して過去の様々な経験で学習された「オブジェクト」を用い、これから何が起るのか予想を行っていると考えられています。
「フレーム」とは、「テンプレート」を覗き見る穴のこと。このフレームを動かすことによって、テンプレート内部を自由に意識的にスポットを絞って見ることができるという訳です。
コンピューターでこれだけの情報処理をしようと思ったら莫大なデータ処理が必要だと思うけれど、人間の脳は瞬時にこれだけの処理を行ってしまうのだから本当に良く出来ていると思います。ただ、その情報はあくまでその人にとって主観的なものであるということは言うまでもありません。
人とコミュニケーションを取る時には、コンピューターのように同時に情報を共有し同じ様に処理することは無理ですし、人それぞれ固有のテレンプレートを持っています。
予想脳が計算した情報と、現実との間に起った誤差信号は、たいていネガティブなものとして脳内に表現されます。それらの誤差信号は「不快」なものとして感じられます。このことは、日常で良くあると思い実感が湧きました。
バーチャルな世界に逃れる人が多いのは、現実生活よりこの誤差による不快が少ない為だと言われていますが、誤差をもたらしているフレームを意識することで、ストレスフルな状況でも客観的に物事を見つめることが出来るようになるようです。この誤差を埋めるのに脳が発達しているんですね。
そして、この「フレーム」や「テンプレート」に当てはめて物を見ていないときに、心が「空」になっているのかも知れません。
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