野球のルールはほんとうにややっこしい。シチュエイションがほんのちょっと違っただけで適用条文や解釈がまるっきり違ってくることすらある。プロ選手でさえウッカリすることがあるくらいだから、一瞬の間に咄嗟の判断を要求される審判の苦心苦労はいかばかりか。
一部にお遊びやパズルめいた設定もあるが、現実の試合中にも起こりそうな100の場面がファンへ“挑戦”している。難易度が5段階に設定され、得点によって“野球脳”のレベルが「プロ級」から「野球盤(笑・要は“草野球以下”ってことだ)」にまで判定されてしまうのが怖くもあり面白くもあり。
設問文にはどこかで聞いたことがある名前が続々登場するので、リアルな雰囲気に浸りつつプレイを、いや問題を楽しめる。たまには、ケータイやスマホを忘れた脳トレ気分もいいものだ。
だが、本のつくりそのものは、どうもイマイチだ。
単行本で出ていたものを「加筆・修正」した、と言っておきながら、ボールカウントの数え方が旧来の「ストライク〜ボール」の順のまま、はいかがなものか。書籍はこの先ずっと残り、読まれるものだ。メジャー並みに日本でも「ボール〜ストライク」順のコールに変更されたのだから、将来の読者のために、この部分もきっちり直しておくべきだったろうと思うが。
名審判・岡田氏がせっかく監修しているのに、解説に、その根拠となる『公認野球規則』の条項番号が全く書かれていないのも痛過ぎる。今や『規則』自体を容易に入手し参考にできるのだから、応用の勉強などができるよう、配慮してほしかった。
残念なことに誤植を発見。以下、74ページ「A30」から引用:
> 審判団には、規則に明確に規定“されている”項目に関しては、自己の裁量に基づいて裁定を下す権限が与えられている。 《文中引用符は評者付す》
「規定があるならわざわざ裁定なんか要らない」とツッコンでもいいですかな?