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岡潔―数学の詩人 (岩波新書)
 
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岡潔―数学の詩人 (岩波新書) [新書]

高瀬 正仁
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

岡潔(一九〇一‐七八)は日本が生んだ世界的な数学者であり、心洗われるエッセイ集『春宵十話』の著者としてもよく知られる。独創的な構想を生み、相次ぐ大発見に結実した人生と学問を、遺された研究ノートに追う。二〇世紀の数学に屹立する雄大なスケールの数学者の、秋霜烈日の生涯を描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

高瀬 正仁
昭和26年(1951年)、群馬県勢多郡東村(現、みどり市)に生れる。数学者、数学史家。専攻は多変数函数論と近代数学史。歌誌「風日」同人。現在、九州大学大学院数理学研究院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 228ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/10/21)
  • ISBN-10: 4004311543
  • ISBN-13: 978-4004311546
  • 発売日: 2008/10/21
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
本書には、ある強い特徴があるように思える。本書を次代の若者への贈り物としようする強い著者の意志を感ずるのだ。著者は本書を岡の評伝としてではなく、数学という学問に心を開きつつある若者への、数学への誘いとして著していると思われてならない。

例えば第1章の内容を見てみよう。そこには多くの頁を費やして、岡が終に解決出来なかった問題(内分岐領域でのHartogsの逆問題)の解説と、その問題に対して苦悶する岡の姿が描かれている。本書にあるように、岡は多変数代数函数論の建設を目指した。正にRiemannの後を追おうとしたのだ。しかし、計画はこの未解決の問題の前に挫折した。そう、岡の描いた理想は未だ道半ばなのである。著者は、この岡の辿った道の後を継ぐ若者の出現を心より切望しているのだろう。

確かに本書の中にある数学的内容を実際に追うのは困難なことだ。用語の詳しい説明も無い。殆どの方には意味不明な言葉の羅列になっているところが多いのではなかろうか。しかし、無謀な理想主義を承知で言うと、評者は現在の中高校生が本書を手に取ってくれたらと思う。そして岡の世界に興味を抱いたならば、背伸びでもよい、本書を足がかりに岡の数学の世界を実際に追いかけて、触れてみて欲しい。現在では、奈良女子大学の岡潔文庫がインターネット上に公開され、岡の全論文の邦訳に触れることができるのだ。さらに同じ岡潔文庫に公開されている岡の高弟である西野利雄による、これも心に染み入るような岡の作品への解題も、ぜひ本書と併せて味わって頂ければと思う。岡の思想も人生も、やはりその数学の中から汲み取るべきものだと評者は思う。

本書の若い読者の中から岡の残した理想を完成する者が現れ出ることを評者は祈らずにはいられない。
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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書|Amazonが確認した購入
岡潔の世界を、極めて魅力的に描いて類い稀な名著です。高瀬先生は、この本とは別に、岡潔の評伝をお書きに成られていて、小生も買い求め楽しみました。岡潔の数々の随筆や箴言は、問題の本質を突いているだけに、日増しに、混迷の度を増しつつある社会や教育の現状に、それは本当に生かされなければならないと思います。岡がエッセイを書いていた時期、大方の人々は、奇人の白昼夢の如く聴いていた人が多かったかも知れないが、40年後、彼の指摘は現実の物となった。

所で、「岡潔ー数学の詩人」は、前著にも増して、魅力的な日本語で書かれていて、味わい深い。岡は文化勲章を受章してから、言論の分野で目を見張る洞察を披露しています。日本人の美的感受性こそが、宝であるとも言っています。彼は、「情緒」を重要視し、、そこにこそ、今の混乱した、日本の再生が在ると信じていたようです。岡潔のエッセイは、今の時点で読んでみても、極めて先鋭的で本質を突いている。苦闘の証である、多変数関数論の説明や、数学的精神を体現するようなイデアの世界も、分かり易く表現され読み応えがあり、彼の微笑ましい個性も、十二分に描かれている。
岡潔の生活と人生が年代と共に正確に表現されて理解しやすい。「彼は、生活の中で研究するのではなく、研究の中で生活した」、と、お書きになられていますが、正に数学者、岡潔を象徴するような言葉です。

また、この本を読んで、近頃では珍しい胸の透く様な美しい日本語を味わいました。「数学は芸術の一種だ!」という言葉は、数学の本質を余すところ無く表しています。例えば、数論は自然の構造と深い次元で関連しています。素数に関するゼーター関数は、物質や宇宙がなぜこの様な形態を示すかに付いて、その必然性を語るかも知れない。オイラーやリーマンはそのような関連を確信していたと思う。素数が、数的原子論を創り上げる可能性は大きい。

岡潔伝とも言えるこの様な良質の本こそ、数学の真の内容は、まだ理解できなくとも、若い中学生や高校生に読んでほしいものなのです。それがやがては、岡のような才能の宝石を生むかも知れない。
数学の深くて限りなく美しく、神秘的な世界を知る事は、この世に生まれてきた、大いなる喜びのひとつなのですが、それを知る事無く、人生を終えて仕舞う人も多く居る筈です。ですから、こういう本は、もっともっと、出版されて好いはずです。ベルの「数学をつくった人々」や高木貞治の「近世数学史談」などにも増して、楽しみました。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 著名な数学者である岡潔の生涯を記述した本。

 著者は、「数学者、数学史家、専攻は多変数函数論と近代数学史、歌誌『風日』同人」と紹介されている。
 この本をよんでみると、この著者が著した岡潔伝らしく、次のような特徴が感じられる。
(1)著者は若いときから岡潔の著作に数学的影響を受けていることから、通り一遍の解説でなく、岡潔に対する深い敬愛の念がにじみ出ている。郷里であり、孤高の研究活動の場であった和歌山県紀見村の人々に話を聞き、岡潔の生活に想いをはせる部分などにそれがよく出ている。
(2)著者自ら数学者、数学史家であることから、数学的な解説部分もそれなりの分量が割かれている。ただ、この部分は数学の知識のない私には理解不能であり、飛ばし読みになった。欲を言えば、もう少し、素人にもわかる工夫があってもよかったかも。
(3)岡潔は情緒的な美しさと数学研究を一体不可分のものとしていただけに、著者が描く岡潔の生活の断片は詩的に美しい部分も多い。お日さまの光や蛍などを著した部分は、抑制のきいた文章でありながら、静かな感動が伝わってくる。

 少しとっつきにくい本と思われるので、すべての人に勧めません。じっくりとこの本につきあい、天才数学者の人生を感じ取ろうという人にとっては良書だと思います。
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孤高の数学者の思索のあと
日本が生んだ最高の数学者の一人、岡潔の伝記で、終始マイペースで多変数解析関数の研究にいそしんだその生涯を、残された資料から再構成する試みである。ただその叙述の仕方... 続きを読む
投稿日: 2008/12/29 投稿者: 場野量子
読むのにひと月かかりました。
岡潔の生前を知る人を訪ね歩いたりする作業をフィールドワークと呼ぶことに深い意味を感じる。それは単なる調査ではなく、岡潔その人を深く知るために、不可欠な方法であった... 続きを読む
投稿日: 2008/12/25 投稿者: Ms
数学と芸術と
... 続きを読む
投稿日: 2008/12/23 投稿者: ishilinguist
秀逸なる日本語
岡潔といえば、情緒、無明という言葉がすぐ頭に浮かぶ。小林秀雄との対談が強烈な印象を残しているからだと思う。これは、その岡潔の評伝で、主に数学への対し方を中心に描か... 続きを読む
投稿日: 2008/12/22 投稿者: akio
孤高の数学者
フランスのGaloisあたりを想起してのことと思われるが、数学者というと変人奇人を期待されるようであるが、数学も数学者の世界も大衆化したので、そういう期待に応えら... 続きを読む
投稿日: 2008/11/3 投稿者: さすらいのエッセイスト
数学的知性への憧れに応える書
 大変な労作である。... 続きを読む
投稿日: 2008/10/29 投稿者: gorohidaーlj
感動がない
多くの人にとって天才的数学者は、自身と最も遠い存在であろう。そうであればこそ、数学者の評伝や自伝には興味が尽きないという読者も多いだろう。E.T.ベルの『数学を作... 続きを読む
投稿日: 2008/10/26 投稿者: zigeunerweisen
新しい岡潔入門書
著者の高瀬先生は
岡潔の評伝を2巻本で書いた研究者
今度の岩波版は、新資料も付け加え、実に読み応えのある... 続きを読む
投稿日: 2008/10/24 投稿者: イイタカシゲル
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