1971年2月にオリジナル発売のこのアルバムがやっとCD化された。当時URCにあこがれていた私は、これ以外の岡林信康のアルバムは、当時からよく聴いていたが、不幸にもこのアルバムは手に入れておらず、聴いていなかった。初めて聞いてみての感想は、「とにかく良いライブ盤!」のひとこと。37年前のライブアルバム(演奏は1970年12月1日神田共立講堂)なのだが、エネルギーに満ち溢れている。これだけエネルギッシュな岡林信康を私は体験していない。アルバムの半分を占めるはっぴいえんどとの仕上がりは、とてもとんがっていて、元気だ。鈴木茂のギターのうなりも、松本隆の太鼓のアタックも、岡林信康の歌ととてもよく引き合っているのだ。聴き終えたときに、心地よい疲れさえも感じることができる。
はっぴいえんどは「かくれんぼ」と「はいからはくち」の2曲を収録。当時、はっぴいえんどは、スタジオ録音のバンドでライブは良くないなどと酷評されたこともあったが、ここでのライブは相当に良い名演である。また、前半で、高田渡、岩井宏、加川良の3人での歌と演奏を聴くことができる。高田渡は既にURCから『汽車が田舎を通るそのとき』を発表しているが、加川良はファースト『教訓』が71年6月発売で、その半年前の歌声である。また、この3人の演奏は、フォークジャンボリーのライブレコーディングでも聴くことができるが、ここでの演奏も楽しい。
このアルバムに直接関係のない話だが、収録されている「だからここに来た」と同名タイトルで、1070年の全日本フォークジャンボリーの記録映画が作られている。タイトルにするくらいだから岡林信康の歌が多いのは勿論だが、この演奏でバックのはっぴいえんどが映っていて、貴重な映像として楽しめる。
岡林信康をリアルタイムで知らない人がこのアルバムにどのような感想を持つのかは知らないが、当時、フォーク少年だった私には、懐かしさなどと言う言葉とは無縁に、とにかくパワフルでインパクトの強いアルバムである。購入して満足であり、再発のプロジェクトに感謝したい。