DVDーBOX花盛りの昨今だが、今ボックスほど期待を裏切らないライン・アップを揃えたモノも稀なのではないか。なにしろ、山口瞳のフツーのサラリーマン小説を、独自のタッチとリズムで、小気味良くペーソス溢れる作品にした初期の傑作「江分利満氏の優雅な生活」や、絶賛するほどのモノではないが、天藤真の永らく映画化が待望視されていたユーモアミステリーを、満を持して撮った晩年の佳作「大誘拐」といった、いわゆるキネ旬ベスト10にランキングされる様な世評高い2作品もさる事ながら、コーネル・ウールリッチの原作を見事に換骨奪胎し、極めてバタ臭いクセ球ミュージカルとして作り上げた「ああ爆弾」(岡本は、前年公開された「ウエストサイド物語」にインスパイアされたと言う〜笑)、「ルパン3世」や「007カジノロワイヤル」を想起させる早すぎた“危ない”アクション・コメディ「殺人狂時代」、そして、SF超大作が隆盛を誇っていた当時、倉本聡と組んで、公開時には観る者すべてを困惑させた異色のSFサスペンス「ブルークリスマス」という、数多い岡本喜八映画の中でも、極めてカルト的魅力に満ち溢れた3作品が収録されているのだ。しかも全て初DVD化だ。スタッフたちのインタビューも特典で付いて、大枚はたいても、購入する価値ありだ。