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山県有朋 (ちくま文庫)
 
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山県有朋 (ちくま文庫) [文庫]

半藤 一利
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

長州の奇兵隊を出発点に伊藤博文とともに、「偉大なる明治」の基盤を確立した山県有朋。彼は、統帥権の独立、帷幄上奏の慣例、軍部大臣現役武官制などで軍の政治的地位を高め、その武力を背景に短期間で大日本帝国を築き上げた。しかし、その仕組みゆえに、軍の独走を許し、大日本帝国は滅んだ…。「幕末史」と「昭和史」をつなぐ怪物の人生を、見事に描き切る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

半藤 一利
1930年、東京生まれ。53年、東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを経て現在、作家。『漱石先生ぞな、もし』(新田次郎文学賞受賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞受賞)、『昭和史』(毎日出版文化特別賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 291ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2009/12/9)
  • ISBN-10: 4480426663
  • ISBN-13: 978-4480426666
  • 発売日: 2009/12/9
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 本書は、山県有朋に視点をおいて、明治・大正期の政治を概観している。記述は平明であり、とくに高校生にお勧めしたい。明治期の政治史は、藩閥、政党、官僚、軍部などがそれぞれの思惑から複雑な動きを見せ、理解にやや困難があるが、本書を読めばそれらについて、明確なイメージを持つことができるだろう。
 ただ、本書を読み進めるにあたって注意すべきことがある。筆者は本書のいたるところで山県有朋の心境を忖度するのだが、それが根拠――例えば日記や書簡――に基づくものなのか、筆者による解釈なのかが不明な点である。ある場合は、筆者は史料を引用し、ある場合はしない。史料を引用しない場合、史料がないので引用しない(=出来ない)のか、史料があるが引用しないのか、読者として判然としないのは不満である。とはいえ、さらなる読書へむけた道案内としては十分、その任を果たしている。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 濱哲
形式:文庫
山縣有朋という人間が、どういう国家構想を抱いていたかとなると、大元帥としての天皇を頂点としたピラミッド型軍事国家体制そのものであり、すべての日本国民を軍隊的階級秩序のなかに包摂しようと考えていたということになろうか。すでに産業化社会を向かえつつあった明治、大正の時代では、アナクロニズムも好いところだが、彼の構想力たるや、ごく素朴に、その程度でしかなかったといえよう。
しかも山縣の薄汚さは、つねにダブルスタンダードで、自分自身だけは例外扱いとしていたこと。
軍人の政治関与を禁ずるとしながら、山縣自身は軍服を着たまま閣僚を務め、首相を務め、あらゆる官僚組織のなかに山縣閥を形成した。政党嫌いと言いつつ、じつは彼が行ったことは政党政派活動そのものにほかならず、天皇をトップにと言っても、その天皇は、生身の明治、大正天皇ではなく、山縣が頭の中で構想した神殿の奥にまします御神体を演ずる天皇だった。むろん、山縣覇権時代というべき日露戦争後〜シベリア出兵期といえども、薩派海軍や政友会という強力な反対党が存在したため、山縣一派による独裁政権樹立にまでは至らなかったが、とくに伊藤博文没後は「桂園時代」というより、じつは「山縣大御所時代」というべく、「統帥権の独立」とは要は軍閥の覇権を明治憲法に書き込んだにすぎなかったといえる。
その山縣一派の覇権が、アンチ長州閥に結集した幼年学校・士官学校・陸軍大学卒業組軍官僚グループに突き崩されると、残ったのは、軍閥による国家権力の私物化という山縣とその一派の悪しき前例だけだった。満州事変という軍事クーデターによって山縣閥を見習った軍事官僚グループの政治的覇権が確立してしまうと、あとはもう、あの敗戦にいたる道しか明治国家には残されていなかったということになる。
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
山県有朋は「統帥権」という軍が政治から独立する権限を創出した。
その意味で第二次世界大戦の収束に至るまで自らの影響力を維持し続けた怪物である。

伊藤博文と共に長州藩の卒族(士族ではない)の出身ながら、吉田松陰、
大村益次郎、西郷隆盛といった維新の有名人のそばに常にあり続けながら、
伯爵にまでその身分を挙げていった原動力はどこにあったのかを本書は克明に描く。

不勉強の謗りは免れないが、椿山荘が山県の私邸であったことを初めて知った。
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