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山県有朋と明治国家 (NHKブックス No.1170)
 
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山県有朋と明治国家 (NHKブックス No.1170) [単行本]

井上 寿一
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本の弱点をわきまえた権力者の、冷徹な視線に学ぶ

吉田松陰の門下で学び、高杉晋作のもと奇兵隊の軍監として、幕府軍と、英米仏蘭の四国連合艦隊と戦った山県有朋。閥族・官僚の総本山、軍国主義の権化、侵略主義の張本人と批判されてきたその実像を、俊英が読み直す試み。一九世紀型の欧州秩序が崩壊する中、形成期の大衆社会の危うさを憂慮し、あえて「強兵」路線を担い、元老として権力を握った山県から、近代日本とは何か、権力とは何かを考える力作。

内容(「BOOK」データベースより)

高杉晋作のもと奇兵隊の軍監として幕府軍と、そして英米仏蘭の四国連合艦隊と戦い、明治新政府で首相として二度組閣した男、山県有朋。閥族・官僚の総本山、軍国主義の権化、侵略主義の張本人と批判されてきたその実像を、俊英が描き直す。一九世紀型の欧州秩序が崩壊する中、形成期の大衆社会の危うさを憂慮し、あえて「強兵」路線を担った山県から、近代日本とは何か、権力とは何かを考える。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2010/12/21)
  • ISBN-10: 4140911700
  • ISBN-13: 978-4140911709
  • 発売日: 2010/12/21
  • 商品の寸法: 18.2 x 12.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 明治国家を背負ったリアリスト, 2011/2/2
レビュー対象商品: 山県有朋と明治国家 (NHKブックス No.1170) (単行本)
山県有朋は、明治国家を支えた他の元老に比べて人気がない。しかし、幕末から大正まで、明治国家に係わった元老は他にいないし、死の直前まで権勢をふるったのも、強大な派閥を形成して、権力を維持し続けえたからである。

本書は、そのような山県について再評価を試みたものである。興味深かったのは、対伊藤博文、対原敬に対する記述である。原敬関して言えば、川田稔『原敬と山県有朋』とは全く異なるように二人の関係が描かれている。

「おわりに 近代日本と山県有朋」に著者の主張は要約されている。政局が混迷を極める今日、明治国家の形成に尽力した山県の姿からは、いろいろと学ぶことが多いのではないかと思う。一読を薦めたい。
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5つ星のうち 5.0 現代のリーダーシップとは何か。山県有朋の生涯にそれを考える。, 2012/1/12
By 
Gori "the 11" (東京都) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 山県有朋と明治国家 (NHKブックス No.1170) (単行本)
近年、日本の首相が変わるたびに取りざたされるのは、そのリーダーシップのなさである。
では、その国民がとトップに望むリーダーシップとは何なのか。

リーダーシップとは、一人の人間がその他の人間から服従、信頼、尊敬、忠誠、協力を得られるような方法で
人間の思考、計画、行動を指揮でき、かつそのような特権を持てるようになる技術及び才能であると私は考える。

そのようなリーダーシップを持つ事は、本当に大切なのか。必要なのか。
そのとき考えるのが山県有朋である。

長州の下級藩士の子として生まれた山県は、明治政府では軍政家として手腕をふるい
日本陸軍の基礎を築いて「国軍の父」とも称されるようになった。
官僚制度の確立にも精力を傾け、門閥や情実だけで官僚文官官吏が登用されることの無いように
文官試験制度を創設し、後進を育成した。
「元老中の元老」として隠然たる影響力を保ち、「日本軍閥の祖」の異名をとった
山県は大正時代にもその影響力を保持していた。

山縣は歴史家から大きなマイナスの評価を与えられてきた。「軍国主義者」「帝国主義者」「反動」「ファシスト的」
などの評価は、その居ぢNAリーダーシップに由来するのである。

私にはこの本を読んだだけではまだ、山県の評価を最終的に下す事は出来ない。
ただ、現在のリーダーシップ論を考えるにおいては、本書は大変有用なのである。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 山県有朋を通して現代日本をみる, 2011/3/27
By 
仮面ライター (札幌市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 山県有朋と明治国家 (NHKブックス No.1170) (単行本)
 山県有朋は、どちらかというと伊藤博文、大隈重信、原敬などとは対照的に、「統帥権の独立」等の問題と相俟って、日本近代史では頗る評判の悪い、“敵役”に近い才物ではなかろうか。確かに、『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者であるカレル・ヴァン・ウォルフレン氏も「小沢排除=抹殺」の論理を「明治」の政治システムにまで遡及しているが、その象徴的中心的な人物として山県の名を挙げている。他方、ウォルフレン氏は「19世紀の終わりからから20世紀にかけて、近代国家日本を形成することにかけてだれよりも大きな役割を果たしたという意味で、20世紀という時代を構築した最大の政治家のひとりに数えられるのではないか」として、「ドイツのビスマルク、ロシアのレーニンに比肩し得る政治家」(前掲書pp.51~52)とも述べている。

 山県は吉田松陰に学び、高杉晋作の奇兵隊を経て、維新後の「明治日本」の建設に知略を尽くして突き進んでいった。そのプロセスの中で、前述の「統帥権(=参謀本部)」の独立や「軍人勅諭」の発布、「軍部大臣現役武官制」の制度化や「文官任用令」の改正などに関わっている。ここで、特に重要なのは、戦後日本の政治システムにも影響を与えている「非選出勢力」の頂点に立っていたのが山県であったことだ。すなわち、「近代の国家においては、政党が社会と国家を媒介する」わけだけれど、「近代の日本においては、選挙を経ずに政治的影響力をもつ勢力が存在していた」。この「非選出勢力」は、薩長等の藩閥、軍部、官僚、貴族院などを指しているが(本書pp.107~108)、その一部が第二次世界大戦後も山県のガイストを引きずってきた。

 戦後、軍部は解体され、貴族制は廃絶されたが、上述のウォルフレン氏の論脈でいえば、「非公式の権力」たる「霞ヶ関」の官僚体制は、姿、形を変えながらも、「国体」をアメリカに替えつつ、しぶとく生き残った。謂わば、明治以降における「非選出勢力」の残滓である。だからこそ、小沢一郎さんは“民意”と無関係でありながら、国家経営=政策決定に容喙する「非選出勢力」=「非公式権力」と闘っているのである。そして、残存非選出勢力=非公式権力の片棒を担いでいるのが五大紙に代表されるマスコミであり、ワイドショーなどで口汚く小沢さんを罵る電波芸人どもなのだ。さらに、そうした残存非選出勢力と手を結んでいるのが、最近政権中枢に復帰?した仙谷由人らだろう。山県有朋をみると、現代日本の宿病が自ずと浮かび上がってくる。
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