マンション・アパートの空室を埋めるための対策に的を絞って書かれた不動産投資の派生本。
今後の日本は人口減少に向かい、賃貸住居は供給過剰になって店子の奪い合いになることが予想されている。
なので空室対策は今後益々重要になるだろう。
空室対策と一口に言ってもいろいろな手段があります。
・賃貸募集の業者に広告費を支払い、優先的に決めてもらう(営業マン個人に個別に報奨金を支払うのも同じ)。
・斬新なリフォームや間取りの変更を実行する。
・大家自らが業者回りをして客付けを依頼する
どれも手間が掛かる割に「費用対効果」が疑問視されるものばかりという状況でした。
著者は業者に金を出し過ぎると悪徳業者が蔓延る原因になり、かといって自らアチコチ営業に回るのは不得意。
何とかいい手はないかと入居者目線で考えてみることにした。
入居者が引越しの際に一番困るのは何か?
それは「初期費用が高額になる」という点である。
最近は敷金・礼金も取らない物件が増えているようだが、前家賃や引越し費用・さらには実家から引っ越すということになれば
新たに家電製品・家具を用意しなければならず出費は数十万円にも及ぶことであろう。
基本的にシングルのワンルーム等の見込み客の多くは学生や単身の社会人である。
彼等が多額の現金を所有しているはずもなく、初期費用が多額に及ぶことで引越しさえも躊躇せねばならない状況にさえ時になる。
著者はオーナーとして空室時に入居者が決まりやすいように対策を施すならば
「家電製品や家具を備え付けてあげることだ」と結論付けた。
しかし、普通に冷蔵庫・洗濯機・ベッド・電子レンジ等を揃えるにはそれなりにコストが必要になる。
しかも部屋ごとにとなると空室が多い場合は数十万円の先行投資が必要になるためリスクが大きい。
それを解決した商品の仕入先が「ヤフーオークション」である。
オークションでは引越しなどの特殊事情でさほど使用していない家具・家電製品が「1円」「10円」という価格で出品されているものがある。
そういった引越しに伴う処分品は出品者本人が実際に引っ越す日当日に「現地まで引き取りに来れることが条件」だったりする。
そうなるとそもそも論で「引き取りに行ける距離に居住している落札者」しか入手できない。
著者は自分の所有している物件と自宅までの道筋に出品者の住所があるものだけをチェックして、直接取引が可能かを事前に確認。
それが可能なものだけを集中的に低額で落札して、自らの車で出品者宅まで伺って商品を引き取り、そのまま所有している物件の空室まで
運び込んで設置するという荒業を駆使して空室の価値を高めることに成功した。
結果、出品者からは不用品を引き取り役立ててくれることで深く感謝され、入居希望者からは高級家具付き物件と言うサプライズを喜ばれるという
「WinWin(ウィンウィン)」の関係で誰も損をしないシステムを確立した。
家具・家電製品が揃っているお部屋は次々と入居者が決まり、かくて空室対策は掛けたコスト以上の成果を得た。
リフォーム等の空室対策もありますが、オーナーにとって「費用対効果」が不明瞭なものはやり難い。
やってもそれで入居者が決まるという保証がない賭けに乗るのはあまりにも無謀。
それならば「コストを抑えた対策はないか?」と考えた著者に道が開けた。
現代はネット社会でオークション等の取引が盛ん。特にヤフーオークションの隆盛は正に右肩上がり。
私自身もヤフーオークションは普段から利用しているのですが、家電製品等はほとんどオークションで間に合います。
無理して家電量販店で「新品」を購入などしなくてもオークションで型落ちの優良商品が市価の半額以下で手に入ります。
特に家電製品の中でも高額な
・エアコン(3万円台)
・冷蔵庫(3万円台)
・洗濯機(3万円台)
で入手出来ました。定価で探したらエアコンは10万円後半、冷蔵庫も10万円前半、洗濯機も10万円は支払うところでした。
つまり高価な家具・家電製品ほどにオークションで落札したほうが得をするのです。
これは自分用で使うのでさえそうなのですから、賃貸住居で使う入居者でも同じです。
自分が落札して「得をした」と感じているのですから、同じことを物件の入居者にしてあげれば「当然に喜んでくれます」。
経験のある方にとっては簡単なことだったと思いますが、知らなかった方には朗報。
確かに新品が売れないと企業が儲からずに経済が停滞する等の問題はあるのかもしれませんが、逆にまだ使える商品が簡単にゴミとして出されてしまうと
今度は資源の無駄になるという問題も出ます。使える商品は可能な限りは使い倒すという考え方が賃貸経営にはお客さんにもオーナーさんにも「エコ」のようです。
さらにいい商品を落札したら賃貸の空室に置かずに、「自身で使ってしまう」ことも可能です。
置く場所がなくなってきたら「ヤフーオークションで転売」しましょう。
捨てる神あれば拾う神あり。
ネット社会の隆盛が生み出したムダを減らすテクニックの指南書ですね。