本物の貴族の末裔であるビスコンティ監督でなければ作り得なかったであろう、豪華絢爛な映画です。
この映画最大の見所は、やはり公爵家の当主を演じるバート・ランカスターでしょう。精力的で、野性味のある人物でありながら、貴族社会と自らの家系の運命全体をこの上なく冷静な目で見ることができる圧倒的な知性も併せ持った人物、そんな偉大な人物像をバート・ランカスターは見事に演じきっています。あくまでも個人的な感想ですが、この映画でバート・ランカスターが演じているサリーナ公爵は、『ゴット・ファーザー』でマーロン・ブランドが演じたヴィト・コルレオーネに勝るとも劣らないほど、偉大なキャラクターではないでしょうか。
映画の最後、豪華絢爛な舞踏会のシーンが終わった後、ランカスター演じるサリーナ公爵は一人でふらりと舞踏会の会場を後にします。このシーンで彼の背中が背負っている、滅び行くものの悲しみとも当主としての勤めを全うした充足感ともつかない、なんとも言葉では言い表すことができない複雑で大きな感情、そしてサリーナ公爵の後姿にひっそりと漂う重くて荘厳な死の雰囲気、その全てを私はぜひとも多くの人に見てもらいたいです。
三時間を超える非常に長い映画ですが、見て絶対に損はしません。本当に素晴らしい映画です。