一般歩兵である主人公に「父親譲り」とハンターから短時間聴いただけのテクニックで狙撃手並みの射撃の上手さ(拳銃の射撃も名人級)と対狙撃兵戦術をマスターさせている点は少々無理があるでしょう。
しかし、それを除けば
1.第1作でベケット曹長と組んだミラーが育てたミラーの弟子が敵対相手。これは第1作でベケットがベケットの弟子と決着を着けるのを彷彿とさせます。
2.平原で突撃してくる敵兵集団を主人公が狙撃銃で次々倒すのは第3作で若き日のベケット曹長がベトナムでレミントン700を使い最終的に負傷する戦闘を彷彿とさせる(銃はボルトアクションの割りにある程度の速射が可能、かつ着脱弾倉でボルトアクション銃としては装弾数も豊富なリー・エンフィールド系を使用させ、連射するのに無理の少ない設定にしています。)
3.主人公が敵狙撃兵のスコープを打ち抜くのは第1作を彷彿とさせる(但し、敵は髪一重の差で死なない)
などシリーズの第1作〜第3作を足して3で割ったような感じの作品でまずます楽しめます。
(燃料タンクを爆発させてスキを作り敵に接近などは「ボーン・アイデンティティか?」と思ってしまいますが)
また、
4.ミラーはバーレットM82のボルトアクションタイプ(M82シリーズはセミオートが一般的ですが、初期にはボルトアクションで作られ、セミオートが後から作られました)とM40A1を使用
4.主人公のベケット(息子)は傷を手当てして貰ったハンターから譲られた英国のリー・エンフィールド系の狙撃銃(同系で有名な狙撃銃であるNO.4小銃の狙撃銃版のL42とは銃床の形が異なるので、狩猟用にカスタマイズした銃との設定でしょう)とミラーに譲られた父親が使っていたM1911A1拳銃の特別カスタムモデルを使用。
と様々なタイプの銃も観ることができるのはこの手の映画のマニアとしては面白い点でしょう。
ボルトアクションの対物狙撃銃を出すなら、バーレットのM82系の試作的なボルトアクションタイプではなく、バーレットの90番台のブルパップタイプ(軽量化のためボルトアクションとした)か、専用弾薬で射程もより長い「極大射程」の映画化に出てきた「チェイタック」の方が無理はなかったでしょう。しかし、リー・エンフィールド系を出したり、M40A1を出したりとボルトアクションライフルにこだわった作りになっています。
(ミラーは銃の選択に融通の利く特殊作戦群に所属している様子ですが、第1作ではドイツのG3系の半自動狙撃銃を使用していたのに、ボルトアクションタイプに趣旨替えしたということになります)
ただし、気になったのは、平原で突撃してくる敵兵集団を主人公が狙撃銃で次々倒す際、最後の兵士が弾を受ける度に倒れては何度も立ち上がって突進してくるんので何発も(6発程度)命中させる必要があるシーンがありますが、実際にそんなことは無いと言ってよいでしょう。
リー・エンフィールド系7.7ミリ弾が日本の99式小銃用の7.7ミリ弾とともに、第二次大戦中の主要参戦国の同程度の口径のライフル弾の中で、独のSTG44突撃銃用の弾丸を除き最も弱装薬であったとしても十分な殺傷能力を持っていたのですから。