南米のある町に山猫と名乗る男が現れたことから始まる大冒険活劇小説。黒沢明の「用心棒」とシェークスピアの「ロミオとジュリエット」(ハムレットは作品名やないか!)を足して2乗して2で割った物語。主人公の山猫とその敵役が魅力的。しかしこの小説を日本の最高傑作たらしめているのは、この物語の書き手である、「おれ」なのである。生きる希望をなくし、だらだらとただ毎日を過ごしているだけの「おれ」が山猫に出会うことによって、男として成長していく。見事です。完璧です。ストーリーももちろん文句無しに面白いのだが、この「おれ」がどう変わっていくのかここらあたりに注目して読んでください。絶対に損はしません。読み終わるのがもったいなくなります。