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しかし、この小説は、これを読まなければ全く知られないであろう彼の柔軟な思想や海外についての豊富な見識が描かれており、彼こそがもっとも真珠湾攻撃にも、そもそも三国同盟にも反対した人物であることがわかる。
「賊軍」の長岡藩に生まれ、必ずや何かを成すと心に秘めた幼少年期、青春期。飛行機や空母について熱心に学び、「航空屋」と蔑まれつつも先見の明に磨きをかけた日々。駐米日本大使館付武官としてアメリカはもとよりメキシコなどにも足を伸ばして見識を深!た時代。飛行機時代を最も強く予見した男が、反対しつつも航空機の奇襲で開戦してしまった悲劇。
余りにも多くを知りながら、最も望まない道に進まざるを得なかった彼の運命に、特に下巻になると哀しくて仕方なくなる。
こういう人がいたことを、そして、こういう人がいてなお戦争になってしまったという事実を、多くの人に知って欲しいという思いで一杯だ。
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