「そこに山があるということは、壮大なドラマがそこで起きたということなのです」。
なぜそこに山があるのか?という、シンプルな疑問に答えることに徹底して書かれた本です。著者は地球科学専門の科学者。
まずは準備運動で登山の用意。本章は1合目〜10合目までに分かれていて、順に山を登るイメージに重ねて書かれてあります。タクシーで5合目まで一気に上ってから登るとか、8合目まで行ってロープウェーで下山するという読み方もできそうですが、ここはひとつ1頁づつダイナミックな山についての物語の醍醐味を味わいながら頂上を目指しましょう。実はBlueBacks連峰にはかなり険しい山もあるので要注意なのですが、この本はそんなに高い山ではなく、エベレストのように途中で空気が薄くなって息苦しくなるようなことはないし、クレバスで遭難する恐れもないので、安心してください(笑)。
ポイントは、「地球」です。プレートテクニックスとプルームテクニックス。陸上だけでなく、海の中に隠れている山々や海嶺と海溝といった各種の構造と関係に基づいた説明が行われています。種類はいろいろあるけれど、まるで山が地球の皮膚にできた皺や吹き出物みたいな感じがしてきます。4枚のプレートがひしめき5つの沈み込み帯があるという特殊な場所にある日本の数々の山の紹介や、「出る杭は打たれる」という人間界の教訓はヒマラヤ山脈や日本の山々にも適用できるという話もあります。