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山の音 (新潮文庫)
 
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山の音 (新潮文庫) [文庫]

川端 康成
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第7回(1954年) 野間文芸賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

敗戦直後の荒廃した世情のなかで、深い倦怠と疲労に自身の老いを自覚する信吾。老妻や息子夫婦と起居をともにしながら孤独を感じさせられる家庭にあって、外に女をもつ長男の嫁菊子に対する信吾の哀憐の情は、いつしかほのかな恋にも似た感情に変わってゆく。その微妙な心のひだをとらえた戦後川端文学の傑作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 328ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1957/04)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101001111
  • ISBN-13: 978-4101001111
  • 発売日: 1957/04
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
何をいまさらという感じではあるが、少し前、吉行淳之介のエッセーを読んでいて、吉行がこの作品にかなりこだわっている様子が伺えたので、ちょっと読んでみるかと思うきっかけとなった。
川端作品は幾つか読んだが、なぜか代表作であるこの小説だけは目を通していない。
(成瀬巳喜男の映画は観たことがあるので筋はわかっている)

筋書きは長男修一の嫁菊子に60を過ぎた主人公信吾が、同情とも恋情ともあいまいな複雑な思いを持って接する心理劇である。
長男修一が愛人を作りそのことで同情しているという設定なのだが、それ以上に老人特有の性欲描写がリアルである。
筆は抑えているだけに、かえってエロチックに感じる文章が多い。
以下短く抜粋。

「・・・女が出来てから、修一と菊子との夫婦生活は急に進んで来たらしいのである。菊子の体つきが変わった。
さざえの壷焼きの夜、信吾が目をさますと、前にはない菊子の声が聞こえた。・・・」

これだけのそっけない短い文章だが、若夫婦の夜の営みに耳を澄ます老人って。。。

川端という人が「少女趣味」の人であったことは、すでに様々な評伝で伝えられるとおりである。
この作品もそういった意味ではかなりグロテスクな老人の性欲を描き出したもので、文学というものの本質に「業」というものが常にひかえていることを改めて感じさせる。
「伊豆の踊り子」という代表作のために、あまり文学に興味のない一般の人々には、清廉なノーベル賞作家のイメージが固定しているが、あの作品だって本当はかなりエロチックだった。

散文詩のような文体が、そういったどろどろとした内面の暗さとアンビバレントなある独特の世界をかもし出す。それが川端の魅力である。
このレビューは参考になりましたか?
34 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By konryon
形式:文庫
近づく死を予感しながら、若い頃の片思いの相手を思い出させてくれる可憐な嫁に対してほのかな恋心を抱く年老いた主人公の信吾を軸に、戦後間もない頃の或る中流家族の複雑な人間模様を静かに描き出している。激情もドラマチックな展開もなく、単なる日常的なエピソードの連続であるが、登場人物たちの心の微妙の動きを美しい自然や季節の移り変わり、そして何気なく発せられた言葉の端々に託すことによって、家庭内の様々な人間関係の微細な陰翳を捉え、行間からは日本的な繊細な美意識が滲み出る。表面上穏やかに見える個々の日常的なエピソードの背後には常に不穏な重低音が聞き取れて、作品全体に、老人の孤独、遂げられなかった恋に対する喪失感、夫婦や親子間の心のすれ違いなど、家庭特有のやり場のない悲しみと空虚感を漂わせている。

考えるよりも感じる小説である。

このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
長年の憧れの作品を手にして数ページめくってやや後悔の念が湧いてきた。話が進まないのだ。アクションがまったくない。これを映画にすれば、ホームドラマだ。そして、成瀬巳喜男監督の映画を思い出した。原節子が嫁の菊子を演じているが、あのまんまである。
けれどさらに読み進むと、やはり舐めてはいけなかった。相当スゴイ文豪の作品である。ホームドラマの原作程度で終わるものではなかった。
もの覚えの悪くなった老人尾形信吾を取り巻く家庭が舞台だが、家族に対して次第に露出するエロチックな視線描写が並みの文学を超越している。
夫・信吾の息子が浮気をしていて相手にされない嫁菊子は、はっきりいって視線や気持ちで陵辱されているといっていい。
また、子連れで出戻りの娘房子の身体への視線も相当にエロチックだ。
日常生活の描写のところどころに赤や青色の宝石が配置されているように、婉曲的で象徴的なエロス的表現が挿入されており、その秘宝に遭遇するたびに私は胸を高鳴らせてしまった。
「家族はエロスそのものだ」と某評論家がいっていたような気がするが、まさに本書はその文学的結晶といえる。
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投稿日: 2008/10/25 投稿者: hiraku
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投稿日: 2007/7/23 投稿者: 都筑まもる
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投稿日: 2006/7/2 投稿者: オハラ翔子
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投稿日: 2005/8/21 投稿者: くにたち蟄居日記
戦後最高水準小説を味わう。
主題は信吾という舅と嫁との淡い恋物語のようなものである。巻末の解説を読んでみると、どうもこの小説は、戦後の日本で最高傑作と言えるレベルの作品であるらしい。1回読ん... 続きを読む
投稿日: 2004/10/12 投稿者: 武2号
「日本語」の美しさは「山の音」にある。
尾形信吾の眼を通して、ノーベル賞作家川端康成が日本的情緒の世界にしっとりと、読者を引き込ませる筆致は御見事!!“外国語を知らないものは、自分の国語についても何も知... 続きを読む
投稿日: 2001/4/4 投稿者: "松岡ジル"
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