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15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生死の境で人は何を思い、どう動くか,
By
レビュー対象商品: 山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書) (新書)
小学生時代に徹夜の富士登山をした際、親とはぐれ道を外れ…真っ暗闇で遭難しかかった辛い経験があるので山には極力登らない。レジャーが突然、死と隣り合わせになる所に山の恐怖がある。体験しないとわからない気持ちはあるが、本書はそうした生死の分かれ道で、死へ転落した事例、生還した事例を、時に本人や山小屋の主人への取材を交え、多数紹介している。濃霧で山小屋のトイレから母屋に戻れず遭難しかけたという笑えるような本当の話から、道に本格的に迷って沢を下って転落し、けがで動けず発見されず死亡、傍らにけがから死に至るまでの数日を綴ったメモ…という悲しい遭難もある。道に迷った人は、一刻も早く山を下りたいという気持ちから、危険なのに沢伝いに降りてしまい、崖に至り進退窮まってしまう。生死の境で人は冷静さを失う、ということを本書は強く訴えかける。多くの遭難事例から、絶望的な遭難からの生還には、決して生きる意志を棄てないことに加え、運も少なからず作用するのではないか、と著者は見る。骨折した足を引きずり下山したという人の意志の強靱さには驚いた。本書では最近増えてきた、安易な救助要請についても多く事例を紹介する。「疲れたから、体調が悪いから」ヘリを呼べなどという身勝手要請を読んでいると、これまた腹が立つ。ヘリの一回出動には100万円かかる。民間救助は有料だが、警察は無料だ。それを見越して、民間救助は出さないでという厚顔無恥な要請もあるという。自分の身より金が惜しいのか、こういう山をなめた輩はどうぞ遭難死してもらいたいと思う。 硫化水素、雪崩、山は生死と紙一重の世界だ。そんな極限だからこそ楽しめる、という人もいるのだろう。登山をレジャーと思っている人も本書を読み冷水を浴びせられるのではないだろうか。そして、本書に多く出てくる、精神、肉体の極限に立たされた人の並外れた感情、行動に強く心を動かされた。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
多くの方に読んでいただきたい.,
By はま。 (宮城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書) (新書)
山好きもこれから登山を始める方も,ゼヒ読んでいただきたい一冊. 山のリスクは低減できない部分がある,ということを その恐怖を含んでまで山に登るということを, ゼヒ学んで欲しいと思います.
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「登山は不確実性の塊のようなものである」,
By MacMan (宮城県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書) (新書)
山行きは結構、車の運転に似ている面があると常日頃より感じる。普段なんの問題もなく行き来しているのがあるとき、突然の事故の場、そしてその後に発生するショック。どこまで自分で予め問題の発生する素地を見極めそして回避行動をとれただろうか、自分はできることを十分にこなしてきていただろうかといったような思いは、山での遭難の瞬間と共通した感覚なのではないだろうかと考えたりする。そしてまた小さい頃にデパートで迷子になった時に、それが自分に判った瞬間に味わったあの震撼にも通ずるところもあるのではないかとも感じる。全ての時や場において、万全を期した安心安全な存在を維持することはできないだろう。もしそうしたいのであるなら、一日中部屋の中でテレビを観ているのがそれに最も近い存在の一つの形態になるのかもしれない。しかし人は外に出て、他者や社会と接し、自らの営みを遂行して行かねばならない。外の世界には山などの自然環境も含まれている訳だが、人界との間に境界線が引かれていないからと言って、そこを自分が普段過ごしている場と同一に考えるべきではない。山に限らず、自然は容赦なくそして無機質に接してくる。人が山に行く理由の一つがそうした自然界の"素"にもあるのかもしれないが、自分と山の間には防御の役割を果たしてくれるフロントガラスがないことを周知していなければならない。こうしたようなことから、私自身は山行きの際には相手を選ぶ。いっしょに行きたいと言われても、相手に不足があると考えた場合には同伴を断ることにしている。自然に対して畏敬の念を、そして脅威を感じていることが身を守るのに大事なことだと考えているから。 本書はノウハウ本ではなく、山行きの心得を説いているのではないかと思った。要点をしっかり網羅し、納得できて、説得力のある内容であった。本当に山の好きな人が読む本だろう。
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