評者は長年山歩きを道楽にしており、山行エッセイを割と好む。一方、評者にとり、日本の女優の中では好感度が高いという「ミーハー気分」もあって、楽しみつつ本書を通読した。12年前の刊行なのに、レビューは評者のこれが最初。とはいえ、代作タレント本のような美辞麗句、誇大表現、ドラマ仕立ての作文が連なっているわけでもなく、アマチュアっぽいタッチながら記述は分かりやすく、スイスイ読めるものだった。燕・合戦尾根に始まる山歩き体験や槍ヶ岳初登頂の感動、山歩き中に見知らぬ登山客から指さされる不快感の表明なども、興味深く読めた。