『履き忘れたもう片方の靴』です。
作者はホラー作家として有名ですが、本作品がデビュー作ということになります。
文藝賞受賞作ですから、純文学作品……ということになりそうなのですが。
内容はと言うと、延々と性描写が続きます。主人公は男で、女と絡む場面もありますが、同じくらい、男と絡む場面もあります。ただ、エロが目的ではないので、興奮するようなエロさはほとんどありません。
むしろ、とても哀しいです。
ということで、官能小説ともいえませんし、純文学といっていいのかもよく分かりませんし、ホラーではなさそうですが、どのジャンルともつかない作品です。
ケモノは裸になりたがるものですが、同様に人間というのは、ごく一部を除けば主人公のように奴隷になりたがる生き物です。何でも「いいよ」と簡単に約束してしまいます。
唯々諾々と肉体改造を受け入れ、完璧なシーメールとなって……
物悲しい雰囲気を味わう作品、ということで★4です。