「属人思考」とは、相手の地位や権威によって、指示の内容の良し悪しを決する悪習だ。属人的組織にどっぷり浸かった社員は、直属の上司が吐く「そんなのはごまかしとけ!」や「結果さえ出せば過程はいいんだよ!」などといった発言に、反発する心を失っていく。著者らは複数の会社を丹念に調査し、「属人思考」がまかり通っている実態をあぶり出す。
もちろん改善策も示す。社長には部下の「属人思考」を見抜くコツを指南。社員の心に根付く属人気質を顕在化させる「チェックリスト」が面白い。部下のみならず自分自身の傾向も試してみたい。
(日経ベンチャー 2006/06/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
企業・組織で生じる不祥事の原因は属人思考,
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レビュー対象商品: 属人思考の心理学―組織風土改善の社会技術 (組織の社会技術3) (単行本)
著者は、社会心理学者の立場で企業・組織の不祥事を研究している方です。巷では、様々な不祥事への対策として、規則の厳格化や個人への処罰がなされていますが、著者の研究結果からは、このような対策はほとんど効果がないことが見いだされました。 このような対策は、個人レベルでの不祥事には効果的ですが、組織的な不祥事には効果がないということです。 著者は、様々なアンケートとその統計処理により、ひとつの大きな原因を抽出しました。それが属人思考です。 属人思考とは、簡単にいえば、「何」が正しいのか、ということよりも、「誰」が正しいのか、ということが優先する組織風土です。提起された内容の良し悪しで物事が進むのではなく、提起した人の好き嫌いや立場の上下で物事が進む組織風土です。 また属人思考の組織風土になりうる原因をいろいろと提示していますが、それが人から好かれたい、嫌われたくないという人間が持つ基本的な承認欲求であったり、権力に従うという人間が持つ基本的な社会性であったりと、如何なる企業・組織にもあるようなものばかりです。 つまりどのような企業・組織でも属人思考の組織風土になる可能性があり、このことから、どのような企業・組織でも組織的な不祥事が引き起こされる可能性がある、ということです。 あとトップほどこの感覚に疎くなることも調査で明らかになっており、著者が企業研修で本書の内容を話したときのトップ層からの拒絶が裏づけにもなっているようです。 更に属人思考の組織風土と、組織への積極的なコミットメントや、チャレンジ・独自性・現場の自律性といった、近年の環境に適応するために求められている様々な要件とが相容れないことも調査から明らかにされています。 不祥事の原因だけでなく成長を阻む原因としても属人思考の組織風土が定義されるかたちになっています。
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
この本を読むことに誇りを感じるような企業人でありたい,
By 茄子 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 属人思考の心理学―組織風土改善の社会技術 (組織の社会技術3) (単行本)
はっきり言うと、この本は決して易しい本ではありません。でもこの本を読破できる気骨のある企業人が、この国に多くいることを願わずにはいられません。体調が悪い時に、闇雲に薬を飲む人はいません。医師にかかり、検査を受け、自分の体のどこが悪いのかをます知った上で、もっともふさわしい治療の方法を選びます。治療の方法が間違っていれば、時に命取りになります。 企業とは「人」です。「人」の集まりが企業である以上、時に喜び、時に悲しみ、そして時に病むのです。企業は日々脈打っています。 でも企業が病んだときに、我々はその原因を発見する努力をしてきたでしょうか?組織の病の原因を知ることは、時に自らの権益を侵す恐れがあります。でも利己心を最大化することが、企業人としての生き方なのでしょうか? この本は、企業の病の原因を解き明かす方法について書かれています。 「相手の対面を重んじて、会議で反対意見を表明しないことがある」「会議で、同じ案でも、誰が提案者かによってその案の通り方が異なる」「誰が頼んだかによって、仕事の優先順位が決まる」(本書92ページ) これらに当てはまることがひとつでもあるのでしたら、お読みになることをお勧めします。 この本を出版することに、どれほどの困難があったかは想像に難くありません。出版に漕ぎ着けた著者の勇気と使命感に感服いたしました。
5つ星のうち 5.0
属人思考という概念は新鮮だが・・・,
By LOSER (名古屋市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 属人思考の心理学―組織風土改善の社会技術 (組織の社会技術3) (単行本)
主張はよくわかるし、一見、「科学的」な調査結果であるようにもみえる。 しかし、いわゆるワンマン(属人的)には、 もちろん本書で指摘されている面もあるが、 創業さらにその後の攻めとしての戦略的意思決定という、 プラス面もある(あったはず)という面が捨象されている。 時の経過のなかでどこかで性質の正負が逆転したはずである。 (M・ウェーバーがいうカリスマの日常化) 要するに経時的・歴史的な視点がない。 第2に、そもそも、不祥事とは何なのか。 愛子さまの事件がそうであるように、 通常、マスコミによって表沙汰にならなければ 不祥事とは言われない。であるならば、 いわば未病のような状態はどう定義するのか。 以上から、両面の性質をもつということが、 人から成る組織の本質であることを示さなければ、 属人思考のマイナス面だけが強調されてしまって、 歪んだ理解を招く。 細かい点として、 意思決定を意「志」決定としていたり、 (索引では意思決定となっている) 組織の定義がなかったり、 (おそらく企業=組織とみている) 気になる点も少なくない。 しかしながら、「属人思考」という新しい考え方は、 組織図や諸規程を離れた概念であり、 新鮮に感じられるし、大いに共鳴できる。
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