考現学とは現代の都市住民の行動などについて研究する学問であり、考古学に対応した造語のこと。
恥ずかしながらこの本を読むまで「考現学」がいかなるものか知りませんでした。
この本は居酒屋をその考現学の側面から分析したものであり、決して居酒屋のガイドブックではありません。
けれど居酒屋を愛してやまない著者の「誰でも普通に居酒屋に行けないようになってしまった国」を憂う気持ちには大いに共感を覚えます。
個人的に、正当な競争によって生じた格差そのものを決して悪いとは思いませんが、しかし国や政治はすべての国民が安心して生活できるレベルを保障する義務があるはずです。
その意味で、底辺の人々がもがき苦しむような現代のあり方に疑問を呈する著者の主張は極めてもっともであると言えましょう。
そもそも飲酒文化自体が衰退しつつあるという現状があるにせよ、誰もがちょっと飲みたいな、と思った時に財布の中身を案ずることなく気軽に居酒屋に行ける程度の生活レベルを維持できる社会になって欲しいと私も思います。
じゃなきゃ何のために生まれて来たのか分からないじゃない。